【逆ハー】ロマネを弁償してもらってないんで、奴等を避けようにも避けられない〜第二章〜【名探偵コナン】

72本のロマネを呑み比べ 原side ページ40

いよいよ迎えた金曜日の午後。

僕の心臓が、時計の秒針よりも早く動いているのがわかる。


ピンポーン


きっ、来た！！？！？



「…どうぞ」

ジン「ああ」


靴を脱いでウォッカと共に家に上がるのを確認した後、自分も後を追って中に入る。

一応消臭剤をかけておいたので、(人1)さんやライが来たことは匂いで気付かれる事は無いはずだ。


ジン「パソコンを拝見させてもらう」

「…ああ」


しばらく無言の時間が過ぎ、1時間程だった頃、やっとジンが口を開いた。

ジン「…ウォッカ、帰るぞ」

ウォッカ「分かりやした」


どうやら疑いは晴れたようで、奴等はこれからの僕の役割を命じてそそくさと玄関へ向かった。
…ふと、足を止めてジンが此方を見ずに声をかけられる。


ジン「念の為常磐のコンピュータは爆破する。土曜日のパーティには出席しねぇことだな」

「や、やはり外部から侵入が…！？」

ジン「ああ。大体の想像はつくが、まさかこんなところから接触されるなんざ思ってもみなかったぜ…ライ」

「！」

ま、まずい…
土曜日のパーティには(人1)さんも行くって言っていたのに…！？


ジン「…そういや、」

「な、なんだい？」

ジン「…(人1)って奴を知ってるか？ツインタワービルで会ったんだが」

「あ、ああ。自己紹介をした程度だけど…」

ジン「話は早い。そいつに土曜日は出席するなと伝えておけ。いいな」

有無を言わさない口調で確認し、玄関から出ようとするジンを見て、思わず声を出しそうになった。
顔見知りだとは聞いたけど、彼女もしかして気に入られているのか…！？


「珍しいな、いつもは冷徹に人を殺すのに…」

ジン「…そいつの店の酒が好きなだけだ。ああ、顔が広いテメェにもう一つ聞いておこうか…ウェーブのかかった茶髪のショートヘアの女を見なかったか？」

「茶髪の…？」


そう言えば、(人1)さんと一緒にいた女の子が確かそんな子だった気が…
でも、何故子供なんかを…？

でも、彼女の知り合いなら命の危険にさらされる事はないだろうし、教えても大丈夫…かな。
変に嘘をつくと逆に怪しまれるし…


「ああ、それなら(人1)さんと一緒に見学に来た人達の中にいたけど…」

ジン「何？…そうか。ありがとよ」


不敵に笑って言葉を遮り、ジンとウォッカは出て行った。
さて、盗聴器などの確認をしてから(人1)さんに今迄のことを報告しよう。




…僕は、判断を誤っただ何て思いもしていなかった。

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