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2話 ページ4

「ふれーふれー…
書類はまだまだ山積みだよぉ〜」

「こんの…糞餓鬼が…っ」






場所は変わって


中原中也の執務室






長椅子に腰掛け

何処から取り出したのか、小さな黒旗を振って何とも気の抜けた応援をするAと






長期任務から帰還して早々に、部下の溜め込んでた約半年分の仕事を片付ける羽目になってしまい



苛立ちを可能な限り抑え乍ら手を動かす中也








Aが拷問部屋に閉じ籠ってる間に、西方での報告を済ませた中也だったが



退出する際に首領…


森鷗外から半年分の書類を早急に提出するよう釘を刺されてしまった








それも、ニッコリと笑顔を向けられ乍ら







「ほらほらァ〜
首領のこと此れ以上待たせちゃ拙いンじゃない?」

「手前…っ!
今直ぐにその生意気な口閉じやがらねェと、容赦しねェぞ…!!」

「えぇ〜?
元はと云えば、半年も書類仕事サボってたセンパイの責任じゃん」

「俺の居ない半年間サボってやがったのは手前だろうが!!」





執務室内に響き渡る中也の怒声


それは廊下を歩いていただけの黒服達が、一瞬にしてその場から動けなくなってしまう程のもの






……であるにも関わらず



当の本人は、これっぽっちも反省の色を見せない







其れ処か、両耳を態とらしく指で耳栓をし


“鼓膜破れたァ〜…”…等とぶつぶつ呟く始末







「はァ……
もういい…取り敢えず書類片すの手伝え」

「えぇ〜…?」

「手前いい加減にしねェと本気でキレるぞ」

「ちぇ…
仕方ないなァ〜…」




渋々と書類に手を伸ばし、漸く手伝う気になったと


本日何度目かも判らない溜め息を吐く中也









Aの実力も

A自身の事も理解し認めてはいるものの






扱い辛い性格に関しては


之までも散々苦労し疲労が溜まっていたことを思い出し







任務から帰還して来た今日から


又再びそんな毎日が続くのかと









そっと心の中でもう一度溜め息を吐く中也だった









「あ、そう云えばさぁ?
首領から聞いたンだけど、センパイって相棒だった人に呪いかけられたって本当?」

「は…?」

「背が伸びなくなる呪いかけられたって話聞いたんだけど」

「(何話してンですか首領…!!
然もンな昔の話をっ!!)」

「無言って事は本当なんだね」

「ンなこたァどーでもいいだろうが!
口より手動かせ!!」

「………可哀想に」

「聞こえてンぞ!!」

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遥希 - 途中までですが、その場の情景描写が詳しく書かれており物語も私好みのものでとても面白かったです。機会があれば続きも何とぞよろしくお願いします! (10月31日 22時) (レス) @page8 id: cc14ef5361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月夜 | 作成日時:2019年1月11日 16時

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