転生したら滅茶苦茶不便なチート異能力手に入れた件について。その７。

究極の２択の件について。 ページ6

大蛇side




もう１度外に出て、


人間界を見下ろす。


マフィアに捕らえられた谷崎潤一郎と、


彼の救出に向かった泉鏡花が居た。




谷崎「済みません乱歩さん…失敗しました」




こうなれば正面突破しかない。


けれども、




敦「でも乱歩さん…先刻来た連絡では社長は “ マフィアとは戦うな ” と」




マフィアとぶつかれば、


必ず犠牲が出る。


別の方法を探そうと言う、中島敦。


だが、名探偵はそれを突っぱねる。




乱歩「お前達が１万年悩んで出す結論を、予め教えてやる。


　 “ 無理 ” だ、敵は奸知の権化。奴が綿密に準備した罠を、時間内に覆すのは不可能。


　 とは言え立派な命令違反だ。だから、参加するか否か自分で決めろ」



敦「それはマフィアと戦うか…退くかの二択を今、選べと？」



乱歩「そうだ」




彼は今、悩んでいるだろう。


だが悩む時間はない。




乱歩「社長とAが安全な異能部屋に居ると知れば、マフィアは脅迫策に移る。


　 社員の家族、友人、大事な人を人質に取り、脅しに来るだろう」



それを聞いて、


誰よりも早く返事をしたのは、


予想外の人物だった。




谷崎「やります」




驚愕した。


彼は、周りの意見に合わせる人間だとばかり思っていた。


実際、妹になんか色々やられてるし。


けれど、これほど強い信念があるか。


人間はやはり、面白い。




谷崎「ボク達は結局、人を傷つけることでしか人を守れない」



与謝野「妾もやるよ」



そう言った彼女に引き続き、


泉鏡花、宮沢賢治も名乗りを上げる。


迷っている時間があるなら、


自分が信じる方へ進む、とでも言うように。




乱歩「国木田、お前は如何する？」




国木田独歩の顔に浮かぶ、迷いの色。


理想を重んじ、規律を重んじる彼。


社長から、爭うなという命令もある。




国木田「しかし！ “ 規則 ” を破れば、また無辜の民が死ぬ！


　 次に目の前であの死が起これば…俺は二度と…！」



乱歩「国木田、お前は探偵社で最も高潔で強い。だから敵は、最初にお前を壊そうとした」




そんな頭のまわる敵を前に、


彼らが扶けたいのは、


社長だけではない。


同じくウイルスを受けた彼女も、


絶対に救い出すと、


心に決めている。




、

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