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第三十七話 ページ10
目的地 ──ポートマフィアビルの前に着いた田中は、深呼吸をして不敵な笑みを浮かべた。
何食わぬ顔で入口に向かって歩き出す。
黒服「あの…… 大変失礼だと存じますが、本当に中原幹部でしょうか？」
田中「あぁ、そうだが。何かあったか？」
黒服は訝しげな顔をする。
黒服「いえ、先程、中原幹部が出張から帰られて、此処を通ったので……」
田中は少し驚く動作をして「それ、本当か？」と訊いた。
黒服「えぇ、なんでも、昨日捕らえた裏切り者の元五大幹部に嫌がらせをしてくるとのことで……」
田中は俯き「それは俺じゃねェ…」と云った。
田中「それは偽者だ」
黒服は驚き「どうすれば……」と云う。
田中「なァに、心配するな。偽者なら重力は使えねェ。俺一人で十分だ」
田中は少し歩いて黒服の方に振り返る。
田中「念の為訊いておくが、偽者は特別収監室に向かったんだよな？」
黒服「はい」
田中は前に向き直り、ポートマフィアビル内に入っていった。
黒服「…… 中原幹部って、あんなに小さかったっけ…？」
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作者名：スノードロップス | 作成日時：2019年9月21日 9時
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