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第三十五話 ページ8
田中「えー、来てないの？」
女給「はい。不思議なことにまだ一度も。私はツケを払ってくれるのでしたら何でも良いんですけど」
田中は顔を引きつらせる。
すると店長が店の奥からやって来て、「太宰さんがどうかされたのですか？」と云った。
田中「いや、大した事ではないですけど。また行方不明になったんです」
店長「それはそれは。いつもお疲れ様です」
店長は田中に挽いたばかりの珈琲を出した。
田中「有難うございます」
田中は珈琲に口をつける。
田中「目撃証言無しかぁ……」
店長「出社している様子も無かったですし、此処らを歩いている姿も見えませんでした」
田中は珈琲を飲み干すと、席を立ち上がりレジスターの前に立つ。
田中「ご馳走様でした。心当たりがある所に行って探してきます」
女給「お勤めご苦労 様です。ツケを支払うように伝えてくださいね」
田中「あはは…… 伝えときます」
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作者名：スノードロップス | 作成日時：2019年9月21日 9時
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