【文豪ストレイドッグス】もう一匹の迷い犬(ストレイドッグ) Ⅱ (ページ15)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:461 hit

第四十二話ページ15

中也(ちゅうや)は興味(きょうみ)無(な)さそうに振(ふ)り向(む)き「あ、そう……」と云(い)う。

中也「じゃ今度(こんど)自(じ) 殺(さつ)志望(しぼう)の美人(びじん)探(さが)しといてやるよ」

太宰(だざい)は目(め)を輝(かがや)かせながら「中也(ちゅうや)…… 君(きみ)は実(じつ)は良(い)い人(ひと)だったのかい？」と云(い)う。

中也「早(はや)く死(し)ねって意味(いみ)だよ、バカヤロウ」

中也(ちゅうや)は階段(かいだん)の途中(とちゅう)で歩(あゆ)みを停(と)め振(ふ)り向(む)く。

中也「云(い)っておくがな太宰(だざい)、これで降(お)わると思(おも)うなよ。二度(にど)目(め)はねえぞ」

太宰(だざい)は「違(ちが)う違(ちが)う」とウザったらしく云(い)う。

太宰「何(なに)か忘(わす)れてない？」

太宰(だざい)と田中は目(め)を輝(かがや)かせながら中也(ちゅうや)を見(み)る。

中也(ちゅうや)は内股(うちまた)のお嬢(じょう)様(さま)口調(くちょう)で「二度(にど)目(め)はなくってよ」と云(い)った。

太宰(だざい)は腹(はら)を抱(かか)えて笑(わら)い、田中(たなか)は肩(かた)を震(ふる)わせながら笑(わら)いを堪(こら)える。

田中「まぁ、面白(おもしろ)いことはまた今度(こんど)やってもらおう！今(いま)は、第一(だいいち)の目的(もくてき)が優先(ゆうせんだよ」

太宰「そうだね。じゃあ、(ruby)たちはこれで失礼(しつれい)するよ」

太宰(だざい)は嫌(いや)な顔(かお)をしながら「じゃあねー」と云(い)った。

中也「…… 喧嘩(けんか)するほど仲(なか)まで軋轢(あつれき)が生(しょう)じたと思(おも)ってたんだがな」

二人(ふたり)が居(い)なくなり、一人(ひとり)だけの空間(くうかん)で中也(ちゅうや)はそう呟(つぶや)いた。