歪んだ愛6 ページ6
そっとAちゃんの頬の涙の跡をなぞり、なんて愛らしいく可哀想な生き物なのだと思う。
私のコートに包まれ、小さくうずくまっている彼女。
こんなにも簡単に私の手に収まってしまった。
非常に喜ばしい事であり、口角が自然と上がる。
「大人には警戒心をいただかないとこんな風になってしまうのに。」
何故ここまでして手に入れたかっのか。
所詮一目惚れというやつだ。
私は彼女に救われ、彼女が私の生き甲斐となった。
あの日、たまたま心中に誘ったあの日にAは私にこう言った。
「もし辛いことがあるなら話くらい聞きますよ？ まぁ、私で良ければですけど。人に話す事にって楽になれることもあるかもしれませんし。」
初めてだったのだ、優しい言葉をかけられたのは。心中を冗談や馬鹿にすることなく相談に乗ろうとしてくれた。それがとてつもなく嬉しくて、私は一瞬にして堕ちてしまった。
「それにしてもお兄さん社畜か何かですか？大分疲れているようですし、程々に休んだ方がいいでよ。それと疲労には甘いものがよく効きます。」
ポケットから取り出したのは苺味の飴で、私に2粒握らせ、彼女は去って行った。
飴を舌で転がすと、甘さが口いっぱいに広がり心做しか幸せな気分になった。
暗い裏社会で、私はAという光を見つけてしまった。手に入れたいと願った。
だからこうして少々酷い事をしてしまったが結果手に入れる事が出来た。
本来ならば私と彼女は交わってはいけない、住む世界が違う。しかし、彼女は私に恋と生きる理由を与えてしまった。責任はとって貰わなくては困る。
私がもっと優しい青年だったら、
私が正しい恋を知っていたら、
私が彼女と住む世界が同じだったら、
否
彼女が私の心中を手酷く拒めば、
彼女が私の目の前を通らなければ、
彼女が私という存在を認識しなければ、
こんな事にはならなかったのかもしれない。
しかし、今更もしもの出来事なんて並べても仕方がない。
「私は君なしでは生きられない。」
彼女は私もものだ。
鳥籠に閉じ込めてしまわなければ。
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零華 - 最高でした！太宰さんと中也さんがメッチャ好きなので、巡り合えてうれしかったです！更新待ってるので、できたらよろしくお願いします！応援してます！ (2020年12月21日 17時) (
レス) id: ff0d36277d (このIDを非表示/違反報告)
旧双黒推し - 更新待ってます(´TωT`) (2020年9月3日 19時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
エトセトラ - ゆっくりで良いので出来たらまた・・・！ (2020年6月3日 12時) (レス) id: 348703d198 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 完結を見たいです。急かす気はないです、楽しみに待ってます (2020年5月19日 17時) (レス) id: 0425a49796 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - すっごい面白いです！この作品!!作者様のペースでいいので頑張ってくださいね！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙夢 | 作成日時：2017年2月27日 23時
