歪んだ愛22 ページ22
任務の呼び出しの電話を無視しなかった私を誰か褒めて欲しい。
Aちゃんを置いて仕事に向かうのは非常に嫌だった。いっそ連れて行こうかと考えたが、誰にも彼女の姿を見せたく無い独占力の方が勝ち仕方なく本部へ向かうことに決める。
暫くの間行っていないものだから流石に怒られるかなと考えると余計に鬱になり、思い足取りで駐車場まで歩く。
首領に顔を見せたらせめて書類だけ片付けよう、Aちゃんが起きる前には帰りたいと甘い考えを持ったのが間違いだった。
私の車の座席に死ぬほど趣味が悪い帽子を被った相棒が座っているものだから思わず引き返しそうになる。幻覚かな、と目を瞑るが見間違いでは無かった。
今一番会いたくない相手に声を掛けられ、気分は最高に下落した。
「よぉ太宰。
最近は川に飛び込んでねぇのか？」
私の車に我が物顔で居座る中也に私は殺意を覚えた。後で車丸ごと洗浄しうよう。
「嗚呼中也か。実は新しい趣味が見つかってね、暫くの間はしてないよ」
助手席に腰を下ろし煙草に火をつける。本当は臭いが着く為に躊躇ったが、今は吸わないとやっていられない。多分Aちゃんはこの匂い嫌がるだろうな…。そう思い着替えてから家に帰る予定を立てる。
「へぇ、そうか。手前はいい加減健全な趣味を見つけた方がいいと思うぜ？」
中也の瞳が怪しく細められるのだから非常に面倒くさい事になるなと感じた。おまけに口元はにやにやと楽しそうに歪ませているのだから深いため息が出る。
「嫌だなあ、今の趣味はとてつもなく健全だ。素晴らしい程にね」
いつもの外向きの笑顔を向けると、中也は顔を歪ませてまるで廃棄物を見る目つきで私を見るものだから心外だ。
私は新しい趣味をとても大事にしているし、こんなにも愛情を注いでいる。健全と言わずになんと言うのだろうか。
「そうかよ。なら精精大事にした方がいいんじゃねぇか？誰かに知られる前にな」
意味深な言葉を呟き、この話題は終わりだと言うように私が言葉を発する前に中也は車のエンジンをかけた。
「ねぇ、これ私の車なんだけど？」
「手前が運転したら絶対崖から落ちるだろ」
事故に見せかけ、車ごと転落させて相棒を亡きものにする作戦はお見通しらしい。こうなったら直接手を下そうかと思うが、首領にバレてしまう可能性が高い。思考を巡らしているうちに車は動き出た。
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零華 - 最高でした！太宰さんと中也さんがメッチャ好きなので、巡り合えてうれしかったです！更新待ってるので、できたらよろしくお願いします！応援してます！ (2020年12月21日 17時) (
レス) id: ff0d36277d (このIDを非表示/違反報告)
旧双黒推し - 更新待ってます(´TωT`) (2020年9月3日 19時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
エトセトラ - ゆっくりで良いので出来たらまた・・・！ (2020年6月3日 12時) (レス) id: 348703d198 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 完結を見たいです。急かす気はないです、楽しみに待ってます (2020年5月19日 17時) (レス) id: 0425a49796 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - すっごい面白いです！この作品!!作者様のペースでいいので頑張ってくださいね！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙夢 | 作成日時：2017年2月27日 23時
