歪んだ愛15 ページ15
私はデザートに食べようと思っていたプリンを口に運び、
「このプリンとても美味しいです！濃厚だけど後味はしつこく残らなくて、どこかさっぱりしているせいか食べやすいです。カラメルの苦味がポイントなんでしょうかね。更にコクもあって口に入れた瞬間とろけてなくなります。なんと言ったらいいのか……。最高！この一言につきますね。」
これでもかと言わんばかりに褒めちぎった。
レポーターに負けぬ程の食レポである。太宰さんの中で私がプリン大好き女の子になったに違いない。若干引かれている気もする。
「それは良かった。有名な老舗のプリンらしくてね、またリピートしようか？」
「嬉しいです！良かったら一口食べてみませんか？」
私はプリンを一口分スプーンにすくい、太宰さんの方へと向けた。これが私の賭けだ。
この大量の食べ物の中に変な物が仕込んであるか否か。もし太宰さんがプリンを食べれば安全、拒めば危険という事になる。仮に危険とわかったら即吐き出してしまえば良いだけだ。
じっと太宰さんを見つめると心底嬉しそうな顔をし、食べた。
「本当だ、とても美味しい。これは人気になる訳だ。もう一口くれるかい？」
これは、安全という事だろうか。私は太宰さんの口にプリンを運びながら考えた。時計がない為に正確な時間はわからないが、おにぎりを食べてから少なくとも二十分はたっている筈だ。
即効性の物ならば既に効果は出てきている頃になる。
「関節キスだね。」
私は思いっきりむせた。プリンが変な所に入ってしまい、咳が止まらない。慌てて太宰さんが背中を擦りお茶を手渡してくれた為になんとか落ち着きを取り戻す。
「前触れもなくそういう事を言わないで下さい。とても恥ずかしいです。」
「ごめんね？Aちゃんが抵抗もなくあーんしてくれたから嬉しくてついね。」
その言葉に太宰さんと口付けをした記憶が鮮明に蘇り、頬が火照る。
つい無意識に太宰さんの唇に視線をやってしまう。柔らかい感触と、重なり合う吐息に、言葉に言い表れられないあの感じ。出来ることならば全て忘れてしまいたい。
「思い出して、興奮してしまったのかい？」
意地の悪い顔をして、俯く私の顔を覗き込む。
「してません。それにアレは無理やり…。」
「途中からAちゃんから強請ってきたじゃないか。」
「喉が乾いていたから仕方なくです。」
私がそう言うと太宰さんは目を細め、
「本当に？」と低い声を出し私の耳元で囁いた。
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零華 - 最高でした！太宰さんと中也さんがメッチャ好きなので、巡り合えてうれしかったです！更新待ってるので、できたらよろしくお願いします！応援してます！ (2020年12月21日 17時) (
レス) id: ff0d36277d (このIDを非表示/違反報告)
旧双黒推し - 更新待ってます(´TωT`) (2020年9月3日 19時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
エトセトラ - ゆっくりで良いので出来たらまた・・・！ (2020年6月3日 12時) (レス) id: 348703d198 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 完結を見たいです。急かす気はないです、楽しみに待ってます (2020年5月19日 17時) (レス) id: 0425a49796 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - すっごい面白いです！この作品!!作者様のペースでいいので頑張ってくださいね！ (2019年11月17日 22時) (レス) id: a353fd29dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涙夢 | 作成日時：2017年2月27日 23時
