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【イルミ=ゾルデイックと姉】
心臓がくり貫かれた死体。首が切断された死体。庭の噴水で溺死した死体。様々な死に様で幾人もの人間が死んでいる。安らかな顔で。
『……退屈な仕事』
屋敷の主であった男の心臓にナイフを突き刺し、ひどく冷めた目で息絶えたそれを見つめる少女。その少女こそがこの惨状の犯人である。
「あーあ、またこんなにして」
『……!!、イル』
「や。姉さん」
透けてしまいそうな白い肌。緩やかなウェーブを描く灰がかった銀髪。長い睫毛に縁取られた淡く薄い空色の瞳。薄紅色の愛らしい唇。
華奢な身体は細く小さい。フリルとレースがたっぷりとあしらわれた黒いドレス。着ている服とあいまって精巧に造られた人形のよう。
背丈は140前後だろうか。とてもこの少女が人を殺したとは思えない。服や頬についた返り血と床を満たす血の池や死体さえなければ。
「遅いから迎えにきたよ」
『そう。今回も特に骨のある子はいなくてつまらなかったわ』
「それにしても姉さん。その血、どうにかならないの?そんなに服汚して。また母さんに怒られるよ」
『似たような服しか与えないお母様に言ってちょうだい。とっても動きにくいのよ』
「動きにくい……」
そうは思えない身のこなしで男に近付いた彼女の名はA=ゾルディック。ゾルディック家の長女でイルミ=ゾルディックの双子の姉だ。
見た目はまるで幼女だが、これは誓約と制約により11の頃から成長が止まっているからである。中身の精神年齢はきちんと24歳だ。
『疲れたわ、抱っこ』
「はいはい」
これもいつもの光景。姉は家以外や仕事以外だと誰かに抱き上げられている。歩くのが面倒だとか。まぁ、イルミもそう望んでいる。
この小さな姉はふと蝶のように何処かに翔んでいってしまいそうな、そんな儚さがある。自分がしっかり抱いていないといけない。
そう思ってしまうのは仕方ない。
狂おしいほど愛しい姉。
決して手放してやるものか。
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奈那 - とっても面白いです！！私の性癖にドストライクでした！！応援してます！！更新頑張ってください！！ (2021年10月17日 12時) (
レス) id: 7127803f97 (このIDを非表示/違反報告)
京凛(プロフ) - めっちゃ好きです!!!応援してます!!更新頑張ってください!! (2021年9月11日 20時) (レス) id: c8e77dbc20 (このIDを非表示/違反報告)
セーラ - とっても面白かったです！私の好みドンピシャでした！続き待ってます！ (2021年9月8日 15時) (レス) id: 837a48d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セニオリス | 作成日時：2021年8月21日 14時
