超特急家 (ページ9)

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～10年前～

あの頃はまだお父さんとお母さんもいて近所からも評判の大家族だった

いつも楽しくてみんな笑顔だった

お父さんとお母さんは海外でも活躍している大きい会社で働いていて、1日だけ海外に行くことがあった。

その日だった、悲劇が起きたのは。

お父さんとお母さんは信号無視をしたトラックに轢かれてしまったのだ。

本当に苦しくて毎日泣いていた。知らない場所で死んでしまうなんて可哀想だ、って。

毎日後悔していた。あの時止めていれば。もっと抱きしめていれば、って

特に悲しんだのは末っ子の太陽。

当時4歳のお母さんっ子で毎日いっしょに寝ていたからな。
その日から太陽は笑顔を無くした

佑亮も佑亮でそれからは少し静かになったな。佑亮も5歳だったのに毎日太陽を慰めていたな、大丈夫だよって

祐基もよくお父さんとふたりで出かけていたり仲良かったし辛かっただろうな。でも私たちの前では涙を見せたこと無かった。
まだ6歳だったのに、

意外といちばん大人なのかな。年下組の中では

それからはまだみんな小さかったから親戚の家に住まわせてもらってたんだけど、8人一気にってことは出来なかったから離れ離れになったんだ

晃一はいちばん上のお兄ちゃんだからいちばん傷の深い末っ子の太陽と大阪のおばちゃんの所へ

だから2人だけ関西弁なの

海と稜雅は双子いっしょに神奈川のおじさんの所へ

たくちゃんと佑亮は千葉のおばさんの所へ

祐基と私は徳島のおじちゃんの所へ

おじちゃんは子供がいなかったから嬉しいって言って歓迎してくれたんだ。

あの時は何も考えられなかったけど今思えばすごくお世話になったな。優しかったな、おじちゃん

それからはみんなとは会えず毎晩、祐基と会いたいねってみんなどうなってるかな？って話してた