Bubble Gum（N.nuru）

# ページ11

「ねぇ！A、見て！あれ、乗ろ！」



「え……？あ、……うん、そ、そうだね、塗くん。」



私、絶賛緊張中…



だって、



だって、



あの塗くんがこんなになる？




私達は、ザ・カレカノ☆って感じで潜入捜査をしている。





っていうか、カレカノ設定で潜入捜査する必要ある？






「……演技ヘタ……」(ﾎﾞｿｯ






はぁ！？




さっきなんて言った！？





ちゃっかり傷ついている私を横目に塗くんはズカズカと進む。








「……さ、行こ！A！」




「……あ、うん。」









°❍









「ﾊｱｯ………疲れた……」





サンドグラスに戻った頃にはもうヘトヘトになっていて、






「……このくらいで疲れるとか………」





塗くん……これでも頑張ったんだよ。



さっきの彼氏感はどこへ行ったのやら……






「でも、最近浮気調査ばっかりでつまんなーい。前みたいに殺人事件起きないかな……」



なんて、物騒なことを言っているまくるちゃん。




「まあまあ、殺人事件が起きないということはいいことですよ。でも……前は…と言うことは、前に殺人事件が沢山起きていたんですか？」





「そうだね……今日子さんは覚えていないかもだけど、あなたの彼氏さんが色々……ね。」




そういって今日子さんに2年前のことを教えている法朗さん。







2年前って…丁度、私がアイツと別れた時か……




あの時は本当に辛かった。



毎日、毎日、暴力を振るわれて……



でも、アイツは毎回こう言うんだ。





_＿ごめん、っ………俺、なんてこと……



___俺を……見捨てないで……Aっ……








でも、今思えば、別れて良かったのかも……









「？……Aちゃん、聞いてる？」





「っえ？………あ、はい！！」





「考え事……？」




「ん？……あぁ、まくるちゃん。……ちょっと、考え事してた。」




「そう？大丈夫？」




「うん。」







もう、忘れよう。




こんなに辛い思いしたんだから……





今はなんだかスッキリしたい気分だ。







「私……ちょっと外に出てくるね。」






そう伝えてサンドグラスを出た。






あたりは真っ暗で少し寒かった。








「……あれぇ？こんな所に一人で何してるの？…お嬢ちゃん？」




「こんなとこにいちゃ危ないよ？ほら！こっちにおいで？」



突然、酔っ払いの男二人組に絡まれた。






「や、……やめてください……」

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