50 一方その頃 ページ10
……帰りたい。
私は、広い部屋でお母さんとお父さん、そしてお父さんに抱えられた妹と向き合って座っている。
母「…A、今は動画の投稿でもお金を貰えるんですって。どうかしら？」
『………うん』
母「…嫌なの？」
『…別に、そんなことはない…』
母「そうよね？綺麗なお母さんのままでいて欲しいものね？」
『…そうだね』
母親が私の頬に触れて顔を上げさせて目を合わせる。その目には当然私が映っていたけれど、「私」は映っていなかった。
母「コンサートが開けないんだもの。別のもので埋め合わせなきゃ」
『………』
母「……A？」
『………』
満くんに会いたい。ぎゅってして欲しい。美少年探偵団のみんなにも、会いたい。こんなところ、双頭院くんに見られたら、きっも怒られるよね。「美しくない」って言って……
母「Aの才能は、お金を生み出すことが出来る素晴らしい才能なの。その才能は、貴方を産み、貴方を育てた私達の為に使うべきなのよ」
『…………嫌だ』
………そうだ。これは、美しくない。
こう言われたら、美少年探偵団なら、双頭院くんなら、なんと言うだろうか。
『それは美しくない…！』
母「………は？」
『「貴方を産み」「貴方を育てた」？なに言ってるの？馬鹿みたい。私に…私達にお金を稼ぐ力が無くなったと分かった途端育てなくなった癖に、なに母親ぶってるの？そんなだからお父さんに捨てられるんだよ』
美しくないと言ったら、思ったことがスラスラと口から出てくる。それを聞いて、母親は怒り狂って私の髪を掴んで怒鳴った。
母「うるさい！私は捨てられてないわ！私が綺麗なままで居なかったから待ってくれているのよ！」
『ぅ…ぐっ……』
父「落ち着いて」
母「貴方も黙りなさい！」
ヒステリックに叫ぶ母親を父親が押さえ込む。
私は、着物の襟を整え、母親を見据えた。
『私はもう本家には戻らない。貴方とも、もう会わないから。さようなら』
冷たく言い放って家を出る。少しして後ろから父親が追ってきた。
父「Aちゃん、ごめんね」
『…大丈夫だけれど……お父さん、よくあの人と結婚したね』
父「……彼女は可哀想な人なんだよ」
『……そっか…お父さん、偶に作った服着せてね』
父「……ああ、分かった」
父親と別れて家に向かって歩く。激しく雨が降ってきた。傘持ってないや…近くに雨宿りできるところは……
？「…お困りですか？」
後ろから声をかけられ、私の周りだけ雨が止んだ。
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ミツノ(プロフ) - ジンジャエールさん» ありがとう御座います！最近、番長くんがいっぱい更新されるのでわっくわくです！こちらもやる気になりますね！可愛いだなんてそんな…ただ二人の空気が常春なだけなんじゃないかって気がします…笑でも、可愛いって言っていただけて嬉しいです！ありがとう御座います！ (2021年8月21日 22時) (
レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
ジンジャエール(プロフ) - 好きです……ミツノさんの子可愛すぎませんか……？めちゃくちゃ可愛いですめちゃくちゃ好きです…。それに対する不良くんまでもが可愛くてしょうがないです…… (2021年8月21日 22時) (レス) id: 312345e99c (このIDを非表示/違反報告)
ミツノ(プロフ) - 彰子さん» 初リクエスト！ありがとうございます！一線超えたお話ですか…面白いですね！いいと思います！二人の初夜(?)のお話、書かせていただきますね！色気が出せるように頑張りますので、お待ちください！ (2021年8月16日 23時) (レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
彰子 - 初リクエスト失礼します、二人が一線越えたお話を読んでみたいな、なんて…。一考していただけましたら幸いです (2021年8月16日 23時) (レス) id: 88a033b3be (このIDを非表示/違反報告)
ミツノ(プロフ) - 穂波さん» それは良かったです！皆さんの癒やしになれるよう、これからも頑張りますね！ (2021年7月7日 20時) (レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミツノ | 作成日時：2021年6月2日 10時
