68 5年後 ページ32
『……』
…なんでこんなことになったのかなあ
オシャレに敏感な女性が集うショッピングビル。今の流行が事細かに載ったファッション誌。そこには紛れもなく自分の姿が大きく描かれていた。
発端は私が大学生になってすぐのことだ。
大学の友人からの誘いで合コンなるものに参加。カラオケで歌を歌うことになったのだけれど、歌っている動画がSNSで「歌がうますぎる」と大バズり。それに加えて、私が人気女優のもう一度会いたい人物として以前から挙げられていたこともあり、テレビへの露出が増え、最終的にはアーティスト…というか、アイドルにスカウトされた。
…こんなに売れるとは思わなかった。
Aの人気はデビューしてすぐにうなぎ登りに上がっていった。
可愛らしい曲は男性に、カッコいい曲は女性に支持を受け、様々なアンチもその圧倒的な歌唱力にひれ伏す…という具合である。
『………幸せ、なのかな…』
5年前、大切な人を忘れてしまい、空っぽになってしまった私に、幸せを感じる余裕はあるだろうか。どんなに仕事を貰っても胸元の穴が満たされることはない。
「好きなことをしてお金が貰えるのだから幸せだ」なんて言うけれど、好きなことをしても満たされないのだから「幸せだ」なんて言えるのだろうか。
マネ「Aさん、次の収録なのだけれど」
『んぇ？あ、はいはい…なんですか？』
マネ「…大丈夫？」
『はい、大丈夫です』
マネージャーさんが差し出したスケジュール帳を覗き込んで今後のスケジュールの確認をする。すると、隣をすれ違った人から懐かしい香りがした。甘い香り。お菓子みたいな、甘い、香りが。顔を上げると、赤髪の目つきの悪い男性が電話で誰かと話しながら歩いている。
『マネージャーさん、このあとのミーティング、少し遅れていいですよね？』
マネ「……まあ、いいけれど」
私はマネージャーの言葉を聞くと、すぐにすれ違った男性の後を追った。
彼と私の距離が縮まっていく。声をかけようとしたら不意に彼が振り返った。止まりきれなくて彼の胸にダイブしてしまう。
『んくっ…』
満「………湖池？」
『…は、はぃっ…』
満「……な、なんで泣いてんだ？」
私はボロボロと涙を流していた。
彼は苦笑して私の涙を拭う。
………嗚呼、彼だ。
私の心を埋めてくれるのは彼だったんだ！
彼_袋井満くん_の背に、縋るように手を回して、私はその後もしばらく泣き続けた。
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ミツノ(プロフ) - ジンジャエールさん» ありがとう御座います！最近、番長くんがいっぱい更新されるのでわっくわくです！こちらもやる気になりますね！可愛いだなんてそんな…ただ二人の空気が常春なだけなんじゃないかって気がします…笑でも、可愛いって言っていただけて嬉しいです！ありがとう御座います！ (2021年8月21日 22時) (
レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
ジンジャエール(プロフ) - 好きです……ミツノさんの子可愛すぎませんか……？めちゃくちゃ可愛いですめちゃくちゃ好きです…。それに対する不良くんまでもが可愛くてしょうがないです…… (2021年8月21日 22時) (レス) id: 312345e99c (このIDを非表示/違反報告)
ミツノ(プロフ) - 彰子さん» 初リクエスト！ありがとうございます！一線超えたお話ですか…面白いですね！いいと思います！二人の初夜(?)のお話、書かせていただきますね！色気が出せるように頑張りますので、お待ちください！ (2021年8月16日 23時) (レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
彰子 - 初リクエスト失礼します、二人が一線越えたお話を読んでみたいな、なんて…。一考していただけましたら幸いです (2021年8月16日 23時) (レス) id: 88a033b3be (このIDを非表示/違反報告)
ミツノ(プロフ) - 穂波さん» それは良かったです！皆さんの癒やしになれるよう、これからも頑張りますね！ (2021年7月7日 20時) (レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミツノ | 作成日時：2021年6月2日 10時
