一緒に 何を 食べようか 【袋井満】

53　家族 ページ13

満くんが寝てしまったのはいいけれど、重たくて動かせない。

美少女「お兄ちゃん！体調大丈夫？」

美少女が部屋に入ってくる。お兄ちゃんってことは妹さんなのかな。
美少女は私を見て絶句した。顔を見合わせていると一階から物音がした。「ただいま」と女性の声も聞こえてくる。

妹「あ、お母さん！お兄ちゃんが！」

美女「みーくんがどうしたの〜？」

『みーくん』

妹さんと入れ違いでまた美女が入ってきた。みーくんって満くんのこと？

美女「あらあら…こんにちは、満の母です〜」

『あ、えっと、お邪魔しています…湖池Aです…』

母「息子がごめんなさいねぇ…重いでしょう？みーくん、ベッドで寝な〜？」

満「ん…！？なんっ…は！？出てけよ！」

この家の遺伝子どうなってんだ。顔がいい人しか生まれないのか。あ、満くんはお母さん似なんだな。お母さんが満くんを起こすと満くんは飛び起きて部屋からその場にいたお母さんと妹さんを追い出して、またベッドに潜ってしまった。またすることなくなった…
暫くすると満くんは寝てしまったのか、寝息が聞こえてきた。

母「…湖池ちゃん〜」

『は、はい…』

お母さんが顔を出して手招きされる。ついていくとリビングに招待された。テーブルにはお菓子とお茶が所狭しと並べられていた。さすが満くんのご家族。めちゃくちゃ美味しそう。

姉「お母さんが沢山お菓子作ったからたべてよ」

母「みーくんがお友達を連れてきてくれるなんて初めてだからうれしくなっちゃったのよ〜」

姉「しかも女の子のね」

妹「……」

目が…目が…！！
ココだけめっちゃキラキラしてる……！満くんは美女と美少女に囲まれて生活してるの？というかこんな美女をほっといて私のところに来てたの？？ええ…嘘じゃん…
お菓子を一口食べる。味はしない。けど、なんか美味しい。心が満たされてるからかな。

『おいしいです…！』

母「よかったわ〜」

お母さん可愛らしい…どうやって過ごしたらこの人に育てられて不良になるんだよ。今世紀最大の謎だよ。お茶しながら学校でのみーくん(笑)の様子の話をしたり、一緒に料理したりして家族付き合いをめちゃくちゃ楽しんだ。家族がいるとこんな感じなのか…以前、満くんの言葉を変に詮索した自分が恥ずかしいよこの野郎。帰り際に満くんの部屋に行くと、満くんからちょっと涙目で「看病はどうした」って怒られた。

『体調を崩すと子供っぽくなる人はいるけれど、まさか泣かれるとは思わなかった』

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