51 慰めて、迎えに来て ページ11
雨が止んだと思ったら、誰かが傘をさしてくれたようだ。後ろを振り返ると、桃色の髪の美少年が立っていた。
『……札槻くん』
札「お久しぶりです…なにかあったんですか？」
『…ええ、まぁ、少し……』
札「僕で良ければお話を聞きますよ」
そう言って、札槻くんは私の手を取って近くのムスカードーナツに入っていった。ドーナツを買って席に座る。
札「その着物、素敵ですね」
『…ありがとう……』
札「半衿も可愛らしくて似合っています」
『……うん』
札槻くんは、席に座り、丁度持っていたとタオルを貸してくれた。そしてひと呼吸置いて、私の格好を褒めてくれる。半衿(着物の襟元から見える襟のこと)まで褒めてくれるなんて、よく見てるなぁ。
札「…さて、本題ですが…何故雨の中、そんな素敵な着物を着て一人で歩いていたんですか？」
『…それは…』
私は事情を説明した。札槻くんは黙って聞いてくれた。
札「……それは…いえ、何でもありません」
災難、酷い話。どれも私を慰める言葉としては不足だと思ったのだろうか、札槻くんは下手に言葉を続けなかった。一口、ドーナツを食べる。
『……もう会わないって言ったし、なんとかなるよ…大丈夫、今日話を聞いてくれただけでも嬉しかった。有難う』
札「それなら良かったですが…」
『…うん、またお話しようよ。今度は札槻くんの話が聞きたい』
札「……そんなことを言って、彼氏さんに怒られないんですか？」
札槻くんは苦笑して珈琲を一口飲んだ。
彼はこういう、ふとした仕草がとても大人っぽい。そんなことを考えながら札槻くんを見ていると後ろから手を握られた。
満「…帰るぞ」
振り返ると、満くんが居た。この雨の中走ってきたのか、彼はびしょ濡れで息が上がっている。
札「意外と早かったですねぇ…」
『え…え？？』
満「…………ありがとな」
札「僕はお礼を言われるようなことはしていませんよ」
どうやら、私がドーナツを選んでいる間に札槻くんは満くんへ連絡を入れていたらしい。札槻くんと今度何かお礼をする約束をして私達は帰った。傘は満くんが持ってきてくれていた。
え、傘持ってるのにびしょ濡れだったの？
満「…彼女が雨に濡れながら落ち込んでた、とかいわれたら急いで迎えに行くだろ」
『風邪引かれたら困るんだけど…』
満「風邪引いたら看病頼むわ」
『えぇ……別にいいけどさ…』
二人で肩を並べて家までの道を歩く。家では、探偵団のメンバーも待ってくれていた。
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ミツノ(プロフ) - ジンジャエールさん» ありがとう御座います！最近、番長くんがいっぱい更新されるのでわっくわくです！こちらもやる気になりますね！可愛いだなんてそんな…ただ二人の空気が常春なだけなんじゃないかって気がします…笑でも、可愛いって言っていただけて嬉しいです！ありがとう御座います！ (2021年8月21日 22時) (
レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
ジンジャエール(プロフ) - 好きです……ミツノさんの子可愛すぎませんか……？めちゃくちゃ可愛いですめちゃくちゃ好きです…。それに対する不良くんまでもが可愛くてしょうがないです…… (2021年8月21日 22時) (レス) id: 312345e99c (このIDを非表示/違反報告)
ミツノ(プロフ) - 彰子さん» 初リクエスト！ありがとうございます！一線超えたお話ですか…面白いですね！いいと思います！二人の初夜(?)のお話、書かせていただきますね！色気が出せるように頑張りますので、お待ちください！ (2021年8月16日 23時) (レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
彰子 - 初リクエスト失礼します、二人が一線越えたお話を読んでみたいな、なんて…。一考していただけましたら幸いです (2021年8月16日 23時) (レス) id: 88a033b3be (このIDを非表示/違反報告)
ミツノ(プロフ) - 穂波さん» それは良かったです！皆さんの癒やしになれるよう、これからも頑張りますね！ (2021年7月7日 20時) (レス) id: 6e7852443a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミツノ | 作成日時：2021年6月2日 10時
