一緒に 何を 食べようか 【袋井満】

42　友達 ページ2

私と満くんが付き合ったという噂はあっという間に学園中に広まっていった。主な理由としては、「意外」というより、「まだ付き合ってなかったの？」という感じらしい。

女「ついに湖池さんが…番長のものになっちゃったよ…」

『お、おかげさまで……？』

男「番長、いつもソワソワしてて可愛かったのにな…」

満「その番長って言うのやめろ」

男2「俺らは袋井が真面目で自分から喧嘩ふっかけたりしないって知ってるけど周りは違うから…特に湖池は大変だろうな」

私達のクラスである2年A組の生徒は、探偵団のメンバーの「早よ付き合っちまえよ」というスタンスと違い、「一生両片思いしていてくれ…(癒やし)」というスタンスだったらしい。冷やかされるわけでも、いじめられるわけでもない。

2年A組はとっても仲良しです。

女2「湖池ちゃんって、なんか冷徹なイメージあったけど全然そんなことないんだね…かわいい」

『なにそれ…どんなイメージ？』

男「湖池はいつもヘッドホンつけてたから声かけていいか分かんなかったんだよな」

『そうなんだ…ごめん…』

生まれて初めて人気者の気分を味わっている。
友達作りなんて諦めてたけれど、どうやら諦めるのはまだ早すぎたようだ。これも美少年探偵団のおかげかもしれない。彼らのおかげで人との距離感を図れつつある。


『わっ…！』

前言撤回。女の子の距離感分かんない。
私と話していた女の子の一人が後ろから私に抱きついてくる。女の子とこうやって話すことがあまりないからドキドキしちゃう！

女2「ねぇねぇ、Aちゃん、今度一緒に遊ぼーよ！デート服とか見よ？」

女「それいいね！」

『なんか…高校生っぽい……(?)』

女2「あははっ！私達まだ中学生！」

女「そんなデート服云々に高校生も中学生もないってー」

満「……お前ら、あんまりAに変なこと教えこむんじゃねぇぞ？」

女「何その心配の仕方…ママじゃん(?)」

女2「番長は彼氏じゃなくてママンだった…？」

満「ちげぇよ！Aは人に言われたことそのまま信じんだよ…疑うってことを知りやしねぇ」

『いや、何でも信じるわけじゃないけれども…』

そんなことをしていたら休み時間はあっという間に終わってしまった。授業が始まってみんな席に戻る。
私は、授業を受けながらも、遊びに行くということで頭がいっぱいだった。


初めての友達に、初めてのお出かけ。楽しみだな

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