好きすぎて忙しい。【Bs39】

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「なんで、そう、思ったん？」


38「いや、何となく？ 池ちゃんとおる時がいちばんAが楽しそうな顔してるなって」


「そうなんかな、」



確かに陵真くんと話したりするのはすごく楽しい。
一つ一つに大きなリアクションを取ってくれて、今でこそ仲良くなって普通に話せるようになったが、最初の方は人見知りの私がたどたどしく話すのを優しく見守ってくれていた。
そんな陵真くんと過ごす時間が好きだなあと思うのは事実。



38「まだそんなん分からんか笑 いうてAがオリックス来たんも最近やしな」


「うん、、」



お兄ちゃんの言う通り私がオリックスに来てから経った時間はまだ数ヶ月ほど。
陵真くんは最初の方に話しかけてくれたが、それでも付き合いは短い。
でもお兄ちゃんを除いて今まで出会った誰よりも話しやすい、と思うのは何故だろう。
陵真くんの表情を好きだな、と思うのは何故だろう。
好きなのかな、特別なのかな、これって恋愛感情なのかな、



「まだ、分からへん。お兄ちゃんの言う通り陵真くんのこと好きなんかもしれんし、でもまだそんなん分かるほど長いこと一緒にいるわけじゃないし、」


38「それもそうやな」



普段はなんでも話してしまうのに珍しくお兄ちゃんに対しても上手く言葉が紡げない。
そんな私をお兄ちゃんは横目で優しく私を見ながらハンドルを切った。



38「俺はさ、別にAが誰のこと好きでもいいよ。」


「うん」


38「まだAが自分の気持ちがわからんのやったら無理に決めろとも言わん。 でも、自分が心から信用出来るって思える人に出会って欲しい」


38「まあ池ちゃんはええ奴やと思うけどな〜笑」



私が何故かきまりが悪いような感じになっているのを感じ取ったのか、お兄ちゃんは最後の一言を少しフランクな感じで放った。


そのあとはまたいつもみたいに中身がないお話をして家に帰った。
だけど自分でかけたはずのbacknumberが今は私のことをさらに悩ませる。
今更止めるなんて出来なくて、シャッフル再生で流れ続けるのは少し煩わしいと感じるほどだった。

想定外→←.

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