好きすぎて忙しい。【Bs39】

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31「きたちゃんは何飲む？」


「えっと、私は、、」



自分が飲みたいものを言うだけのたった一言に緊張してたどたどしくなってしまう。



「あっ、えっ、どうしよ、、」



すると、前にいた陵真くんが急に口を開いた。



39「Aちゃんは烏龍茶、合ってる？」



優しく笑って陵真くんはこっちを見る。
お酒を飲む気分だったけど、陵真くんが来てそんな気分じゃなかったから、確かに私が言おうとしていたのは烏龍茶。
太田さんと宜保さんはお酒がいいかな、と思い気を使っていえなかったけれど。

さすが陵真くん。
何回かご飯に行ったことあるしアルコール以外だと烏龍茶ってこと覚えてるのかな。
でも、なんで、そんなに優しいの？
今日の声、視線、その全てが優しくて、ますます混乱する。



"仲直り、必要ないやろ？"



あの日の陵真くんの言葉がフラッシュバックする。
いつもは心地いいと思っていた乾いた陵真くんの声が、冷たく感じて、少し怖かったあの日。
終わりの言葉を口にしたのは陵真くんだったのに。

恐る恐る顔を上げて陵真くんを見ると先輩たちと楽しそうに話している。
ああなる前の、大好きな友達だった頃の、陵真くん。
その姿を久しぶりに見ている。



31「すんませーん」



太田さんの店員さんを呼ぶ声でふと考えすぎていたのから目の前のことに頭の中のピントが合った。

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