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38 side


元とご飯に行った後、家に帰ると電気は着いておらず、真っ暗だった。
鍵は閉まっていたからAはまだ池ちゃんと居るかな、と思い、部屋の明かりを付ける。



「お兄ちゃん、?」



まだ家には帰ってきていないと思っていたAは部屋の隅っこで濡れた髪もそのままでパジャマ姿で泣いていた。




38「そんな格好して、寒いしとりあえず髪乾かそ」



Aは声は全く出さずに頷いて俺の方に寄ってきた。
ドライヤーを自分で持って乾かす気力は無さそうなので俺が代わりに乾かす。

Aが床に体育座りをして俺はソファ。
ドライヤーの温かい風でAのさらさらの長い髪がなびく。


池ちゃんと上手く話せんかったんかな。
あんまり聞かん方がいいような気がする。



38「乾いたよ」



そう言って頭を撫でた。




「お兄ちゃん、今日は一緒に寝ていい?」



やっと口を開いたと思ったが、その声はか細く今すぐにでも泣き出しそうなほど。



38「いいよ。じゃあ歯磨きしてもう寝よか」


38「ダッシュでシャワー浴びてくるな」



こく、と頷きAは洗面所へと向かった。




2人で布団に入るとAは俺のそばで体を丸めた。
抱きしめて頭を撫でてやると俺の胸に顔を押し付けて泣き出してしまった。



38「今日は気持ちが落ち着いてないからあんま考えん方がええで」



そう言ってまた頭を撫でる。


Aは俺の服をぎゅ、と掴んだ。
体は密着していて、さっきまで髪を濡れたままにしていたから少し冷たい体の感触。
俺の体温でじんわりAの体もあたたまっていく。


ぽんぽんと背中を叩いてやる。
同じくらいだった体格も気づけば俺ばかり大きく成長してすっぽりと包み込めるようになっていた。
前に2人で寝たときはこんなにAのことを小さく感じなかったような気がする。


そろそろ寝たかな。
ひっくひっく言っていたのがだんだんすーすーとした寝息らしい音に変わっていった。

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なつ(プロフ) - 閲覧垢と分かれば基本的には通しています🙆🏻‍♀️ (2月6日 19時) (レス) id: 581386eaf3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょる - xのフォロリク通に当たって何か条件等ありますか…? (2月5日 19時) (レス) id: 61cb40822f (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 来田くん私も大好きなので意図的に登場多めにしてます笑拙い文章ですがこれからも読んでいただけると幸いです💘 (1月29日 18時) (レス) id: 581386eaf3 (このIDを非表示/違反報告)
SFF(プロフ) - なつさん» そんな…!嬉しすぎるお言葉ありがとうございます!!🥹ほんと素敵で、兄がこんな感じだったらなと思いながら読ませていただいてます!笑 なつ様の書くオリックスJr 最高です❤️‍🔥 (1月29日 17時) (レス) id: dc6e40d3df (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - えちょっと待ってください、、私主さんの作品めっちゃ好きで読んでます、、!!そう言って貰えて本当に嬉しいです😭来田くん私の完全理想で優しさ10割で書いてるので最高って言ってくださって本当に有難いです、!!! (1月29日 15時) (レス) id: 581386eaf3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつ | 作成日時:2024年1月25日 23時

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