好きすぎて忙しい。【Bs39】

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とても長く感じたけれどきっとほんの一瞬の時間。
本当の時間が分からないほどの張りつめた空気の中で、陵真くんが口を開く。



39「Aちゃんは俺の事プロ野球選手じゃなくて、友達として仲良くしてくれてると思ってた」


39「いや、思ってた、じゃなくて、友達として仲良くしてくれてたやろ？ 今までは」


39「でも今のAちゃんは違うように感じる。俺を俺として見てないように感じる。 Aちゃんがそんなん言うままなんやったらもういい」


「え、？」


39「もういいよ。仲直り、必要ないやろ？」



そんなことを言われるなんて全く思ってなかった。
どう返せばいいのか分からなくて、何も言えない。



「ちが、」



否定したいけど、陵真くんとの関係がこんなところで終わるなんて嫌だけど、原因を作ったのが私だから否定できない。


私が何を言おうか考えて慌てている間に陵真くんは荷物をまとめていく。



「待って、」


39「帰ろ、お会計してくるわ」



39「家までは送るから。涼斗さんも忙しいやろうし」



こんなことになっても、私を気遣って送ろうとしてくれる陵真くんの優しさに目の奥が熱くなって泣きそうになる。
ここで終わるの？
大事で大好きな友達なのに。
こんな風に簡単に途切れてしまうの？


無言のまま2人で私の家まで行って部屋の前までたどり着く。



39「じゃあ、」



そう言って陵真くんは自分の家の方へと帰っていった。

家にお兄ちゃんは居なかったから、部屋にひとりぼっち。
涙が止まらなくてティッシュで拭うのも難しいくらいだったから私はシャワーを浴びた。

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