好きすぎて忙しい。【Bs39】

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「あの、さ、」


39「ん？」


「陵真くんのこと避けちゃってごめんなさい」



それから、私は陵真くんを避けてしまっていた理由を話した。
Twitterで私のインスタアカウントが彼女のアカウントなのではないかと言われていること、それがかなり多くの人の中で広まってしまっていること、そして怖くて陵真くんとの繋がりをブロックという形で無くしたこと。


陵真くんは私が話している間、ずっと優しい目をして聞いてくれた。
私が上手く話せなくても、急かそうとしなかった。



39「Aちゃんは優しいからそういう行動したんやろ？」


39「気使わせてごめんな？ 俺に話せへんかった理由もわかったし」


「私こそ、なんも話さんくてごめん」


39「ファンの人とか気にせんでいいよ？ Aちゃんは俺の友達やし、それにファンの人の気持ちは関係ない」


「でも、」


39「でも？」


「陵真くんのファンの人減っちゃうかもしれない。」


「せっかくの陵真くんの野球人生、私がこんなことで邪魔する訳にはいかないよ、、！」


39「ほんまにそんなこと気使わんでいいって」



陵真くんはすこし嫌そうな顔をした。
哀しさと怒りと、寂しさでいっぱいの、そんな表情。



「陵真くんは良くても、私は良くないの」


39「なんでそんなこと言うん？」


「なんでって、」



上手く言えない私と、私に話して欲しい陵真くん。
騒がしい居酒屋の中で私たちの席だけしんと静まり返る。

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