好きすぎて忙しい。【Bs39】

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you side


オフシーズンもあっという間でもう12月。
年の瀬が迫ってきた。



53「今週の金曜日、夜空いてる？」


「どうしたんですか急に。普段私の事あんまり誘ったりしないじゃないですか」


53「俺とのご飯じゃないよ」


「え、じゃあ誰と、」


53「池ちゃん」



久しぶりにその名前を聞いた。
最近は考えなくなっていたのに。



「いやです、だって」


53「いやとか言わない。俺からの命令。目上の人の言うことはちゃんと聞きな？」


「そう言われても」


53「ちゃんと話した方がいいんじゃないの？」


53「池ちゃんも話したいと思うよ？」


53「ってか、行かなかったら俺のとこ来るのもう禁止ね」



宜保さんを頼れなくなるのは困るから、私は渋々頷いた。



53「ここだけの話さ、池ちゃんとこないだ飲みに行ってきて」


53「きたちゃんって俺が名前言った途端すごい反応してたよ」



こんなに避けたりしてるのにまだ私の事を考えていてくれてるの？
話したい、本当は話したい。
でもなんとなく、陵真くんに会いたくない。
なんとも言えない矛盾した感情。


きっと宜保さんが居なかったら2人で話すことはなかった。




「ありがとうございます」



53「まあ、ちゃんと話してきなよ」

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