好きすぎて忙しい。【Bs39】

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38side



すっかり夜が更けて、周りの家の電気も消えてきた頃、ちょうど見ていたテレビドラマが終わり、水を飲もうと台所へ向かう。
立ち上がった時にAの部屋のドアが少し空いているのに気がついた。
夜は冷えるだろうからドアを閉めようとした時、Aの寝顔が目に入る。
Aはすやすやと眠りながらもどこか渋い顔をしていて、今日あったことを夢の中でも反省しているみたいだった。


帰る前に話さなくて本当に良かったのだろうか。
そんなことをふと思う。
お互いに辛そうにする妹とチームメイトは見ていられない。
明日はこの2人がしっかり話せますように、という願いを込めて眠っているAにおやすみ、と呟き部屋のドアを閉めた。



俺もそろそろ寝るか、とベッドに入ったが2人のことを思うと心配でなかなか寝付けない。
これは完全に兄としてのエゴだがAに異性の友達が出来ることは珍しいからAがこれからも仲良くしたいと思うのなら自分たちで解決してほしい。
だけどAは優しいから池ちゃんに気使ってどうすればいいか分からなくなってるんだろうな。


寝付けない俺は意味もなくスマホをいじる。
先輩ら結構オフ満喫してるなーとか適当なことを思いながらストーリーを眺めていると池ちゃんの更新したてのストーリーが出てきた。



"ヒトカラなう"



こんな時間までヒトカラって、大丈夫なんか？
池ちゃん意外とお酒飲む上にAのこともあるし心配やな。
そう思ってストーリーに返信をする。



38"お酒飲んでるんやったらほどほどにしとけよ"



あくまで飲みすぎへの心配と受け取れる言葉を選ぶ。
もうすっかり真夜中だ。
なうってことはまだいるやんな、とか普段は関係ないことまで頭が回る。


なあA。池ちゃんのこと傷つけたんちゃうか？
なんかしたんやったら逃げんと謝るべきやで。


心の中でAへ話しかける。
直接こんなことを言ったらきっとAからしたら煩わしいだろうから心の中だけ。


スマホが震えて、池ちゃんからの返信をバナーで表示する。



39"心配かけてすみません もう帰ります！"



びっくりマークが付いていることに俺は少し安心した。

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