節度と抑制 ページ10
静かな一室で、互いに混じり合う唾液が小さいながらにいやらしく響く水音をたてる。
少し離しては、また欲して交わせる唇。目を閉じた彼女の睫毛が瞼に触れた。
Aは立つのがやっとのようで時折 遠慮がちに、俺の胸を支えにしているようだ。
俺としてはまだ･･･いけたのだが、コイツに無理をさせるのもやるせない。
さすがにやり過ぎかと、仕方なく離してやる。
壁を背に向けさせて、俺とそれの間に挟む。
彼女の白い頬が、紅潮している。
息を肩で行い、泣きそうに潤む目。
そして血で満たされ 紅く艶のある、唇。
それらはひどく彼女を改めて女と感じさせる要素だった
･････そんな彼女には、少々苛めたくなる。
｢なぁ、A」
｢はぁ、っ････なに････何ですか･･っ」
｢お前の血よこせ」
｢はぁ････、はぁっ････もう勝手に･･･して、下さ･･い」
息も絶え絶え。
考える事すら放棄してんな
こういう反応は後々 お前が後悔すんのにな？
｢う･･･っ････！？いや･･･っ」
軽く抱きしめるように彼女を覆う。
前から首筋を血が出ない程度に何ヶ所も甘咬みする。
潜もった彼女の熱に浮いたような声が上で聞こえた。
首をよじって抵抗しているが、俺は気にせず肩にも唇を滑らせる。
｢なんかっ････変、んっ･････！
離し･････てよぅ･････あ･････さ･･･っ」
目をぎゅっと瞑って涙が薄く滲んだ彼女は
俺を呼び捨てで必死に呼んでいた。
俺しか見えていないように
そして俺にしがみつくように抱き着く彼女は
俺のなけなしの理性をぶっ壊すには事足りるものだった、が。
｢･････A、俺みたいな吸血鬼の尊厳はなんだと思う」
｢んん･･･そん･･･げん･････、？」
彼女の、第二釦まで開いた鎖骨辺りに頭を置く
俺自身も 一拍置かないと、本当に崩壊しかねない。
｢吸血鬼だってな、只の怪物じゃねぇんだよ。理性が俺等の尊厳だ」
だが、と切る。
尊厳とは言っても 今回初めて それが揺らいだ
要は、自信が無い。
｢お前には 何時かぶっ壊れるかも知んねぇな」
そう言った俺の顔は、彼女にどう映ったかは分からない。
ある種、これは初期段階の切り替わりかも知れない。
彼女に対する思いが この日から変わった。
俺にとってただの女では無いこと････とかな。
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葵 - アーサーがかっこいいよぉぉぉぉ(( すみません取り乱しましたw (2015年12月7日 19時) (
レス) id: 9482af0798 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！これからもどうぞ、よろしくお願いします！！ (2015年10月30日 23時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - アーサーかっこいい///続き楽しみにしてます！ (2015年10月30日 17時) (レス) id: b03ebc546b (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - イギリスさん» いえいえ！いつも感想ありがたいです！！ アーサーさんは格好良いイメージが強過ぎて…。楽しんで頂けて嬉しいです(*⌒▽⌒*)これからも頑張りますね！ (2015年9月23日 20時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - 更新ありがとうございます！！コメント遅くなり、すみません！！アーサーさん、もうかっこいい…！！台詞とかやばいですね！！鼻血が…！！これからも頑張ってください！！ (2015年9月23日 16時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：輝夜 | 作成日時：2015年4月6日 15時
