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捕虜の悩める一日 ページ8

箒掃除を終え、屋敷へ戻ることにした。
うっすら額に汗が浮かんでいた。


大きな扉を片側開ける


彼の元へ行くのは、正直なところ
足が重たかった。



普通に接されていても、これは私の世界には無かった違う世界に踏み入れる事と同じだから


それ以上に同じ国同士である。

でも彼は吸血鬼でもある。



そのうえ私はそんな二つを内包する彼の捕虜となってしまった。



そしてあの・・・・・こともあった、から




「なんで私がこんな・・・・・悩まなきゃいけないの」



だけどもう約束してしまった。

後には引けないのだ





「・・・・・」




しぶしぶ決心を固め、屋敷へ踏み入る。
赤絨毯の敷かれた圧迫感のある狭く長い廊下を歩いていく。


廊下の壁の脇に等間隔につく
橙色の炎が風に揺れてなびいた。


狭い廊下の終着点にあるのは、
一気に開放されたように広がる広々とした大理石で埋まる大広間。


お屋敷であったことも知らなかった私にとっては、今朝初めて見るこの光景に息を飲んだ。

無理もない
私が寝かされていたのは屋敷の端にあるあまり使われていない空き部屋だったらしいのだから


そして渡り廊下のようなところを通る。
その奥の広い部屋に、アーサーさんはいる




・・・・・と思ったら、




「オイ、あんま歩き回ると迷子になるぞ」




後ろから声をかけられる。
振り向くとそこには____



白い頬の右側に何故か
青馴染みが出来ていた彼が壁に凭れて佇んでいた。



「あの・・・・・・・・・・傷が ・・?」




つい、口走る。
言葉数には気を付けようと思ったらこの様だ

何を言われてしまうか気にしていたが、
いらぬ心配だったようだ



「コレか?・・・・・花の手入れしてたら棘が掠っただけ」


「あ、そうなんですか」



信じた。

だけど頭の隅にあの 赤毛の青年 が過った。



「掃除は終わったか」



そんな考えを遮るように彼は言った。

私はなんとなく気になって、特に深い意味もなしに尋ねた。



「さっき終わりました。
・・・・・あの、掃除してる時に見たんですけど、
男の人?来ましたよね。知り合いですか?」


「・・・・・・・・・教えて欲しい?」



少しニヤッと笑った。
少し艶っぽい彼の顔に魅せられてしまう


でも、簡単には頷けないが
そんなに勿体ぶられると気になってしまうのが人間の性である。


こくん、と頷くと
彼は「先払いでな」と言った

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設定タグ:ヘタリア , アーサー , 吸血鬼   
作品ジャンル:アニメ
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- アーサーがかっこいいよぉぉぉぉ(( すみません取り乱しましたw (2015年12月7日 19時) (レス) id: 9482af0798 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2015年10月30日 23時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
- アーサーかっこいい///続き楽しみにしてます! (2015年10月30日 17時) (レス) id: b03ebc546b (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - イギリスさん» いえいえ!いつも感想ありがたいです!! アーサーさんは格好良いイメージが強過ぎて…。楽しんで頂けて嬉しいです(*⌒▽⌒*)これからも頑張りますね! (2015年9月23日 20時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - 更新ありがとうございます!!コメント遅くなり、すみません!!アーサーさん、もうかっこいい…!!台詞とかやばいですね!!鼻血が…!!これからも頑張ってください!! (2015年9月23日 16時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:輝夜 | 作成日時:2015年4月6日 15時

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