検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:49,800 hit

離さない ページ41

「えっ!まっ、まってくださ…… まだ話が!」

「俺の知った事か。……来い」




彼らも呆然と私と、突然現れて私を館の中へと連れ出す彼を____アーサーを見送った。

いきなり手首を掴まれたと思うと
抵抗出来ないくらい……強い力で手を引かれた。



「私、私の責任なんです、弱いから」


「……弱いから?」



それでも止まることなく部屋の奥へ進み続ける彼は、それから小さく呟いた


聞き間違いでは無ければ、いいな




「……なら……今は俺を頼ればいいじゃねーか」




何も私は不安に思うことなんて無かったのかも知れない。
私のことを考えてくれる彼を
疑いそうになるなんて、恥ずかしいどころか
悲しいじゃないか




「……え?」




聞き間違いの言葉であってほしくなくて、
また、聞き直した。




すると……




いつの間にかあの部屋___二人だけしか知らない部屋の前にいた。




そしてアーサーは思いっきりドアを開け放し、
私を中へと入れ、ドアを閉めて……




私を、ベッドの上に座らせる。




静かなこの部屋では、彼との距離に
緊張感が走った。



翡翠色の瞳が逆光に反射して瞳がガラスのように透明になった。

目が合う



「……俺に頼ればいいって言ったんだ
…それなら何のために俺がお前を拾ったんだよ」


「なんで私を……助けてくれたんですか
……あの時」



そう、気になってたこと。



「…………別に深い意味は
…………

俺が守ってやらなかったら……

お前は独りであの場に残り続けなきゃいけないんだろうなって」



彼は軽く目を細めた。
まるでこの前の私をまた見詰めているように



「アーサー……さん……」



「お前は、可愛いままでいい。
……俺が勝手に好きでいるだけだから」





……何でこんな時に
今こんな話をして……こんなに優しく笑うの?



……なんか……やだよ


いやじゃないけど





「……笑うなよ?言うの渋ってた訳じゃねーけど」


「…………泣きそうです、どちらかというと」


「……は?」


「悲しい訳じゃなくて、嬉しかったからです」



こんな事、呑気に言っているような場合じゃないのも分かってる。
だけど今しかこの瞬間が無いことも分かってるから……



「アーサーさん、大好きです」



彼は何を言われたか分からない顔をしていた。
吸血鬼も、国も変わらない。



彼はしばらくたってようやく私から目線を外した。

夕闇→←Endlessly:4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
設定タグ:ヘタリア , アーサー , 吸血鬼   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- アーサーがかっこいいよぉぉぉぉ(( すみません取り乱しましたw (2015年12月7日 19時) (レス) id: 9482af0798 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2015年10月30日 23時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
- アーサーかっこいい///続き楽しみにしてます! (2015年10月30日 17時) (レス) id: b03ebc546b (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - イギリスさん» いえいえ!いつも感想ありがたいです!! アーサーさんは格好良いイメージが強過ぎて…。楽しんで頂けて嬉しいです(*⌒▽⌒*)これからも頑張りますね! (2015年9月23日 20時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - 更新ありがとうございます!!コメント遅くなり、すみません!!アーサーさん、もうかっこいい…!!台詞とかやばいですね!!鼻血が…!!これからも頑張ってください!! (2015年9月23日 16時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:輝夜 | 作成日時:2015年4月6日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。