検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:49,803 hit

ページ36

「無理しないで......そうやって...無理して笑わないでください...!」


そう言うと彼女は俺の目をぎっと睨みつける。
赤く、その中に潜む真っ暗な瞳孔にはただ何か抑え難い感情がにじむようだった。


「別に無理なんか、」


「前だってそうです。私に辛い顔出来なくて
無理して笑って、けど...悲しかったです...私にもその...見せてくれないと不安で... 」



俺の言うことなんか、無視して話し続ける。
そんな彼女の赤い目は、揺れて

伏せたと思うと、涙が溢れ出した。




「......」


「...だから、私は............」




俺は静かに 壊れ物のような彼女を抱き寄せた
泣きながら話しているからか、呼吸が苦しそうだった。
......泣かせたくない、俺がそう思うとは思いもしなかった。
そんな相手が出来るとも思わなかったから



「......誰が、誰もが赦さないなんて言ったって…この私だけは......貴方のこと...赦します!」



ハッキリ俺を見て、綺麗なその目で俺を見詰めて言い放ったその言葉は、赦し...だった


俺が今まで、欲しかった言葉


偽りの愛も 偽りの言葉も、偽りの笑顔も。
俺が欲しかったのは...その逆だった。



「.........あ」




気付けば俺まで、一筋、涙が零れた。
別に悲しかったからという訳では無いが


嬉しくても、安堵でも、涙は流れる物かと初めて知った。


「アーサーさん、泣かないで...」


「お前だって…俺に言えんのか」


言い合いながら彼女の涙を指で拭ってやる


「...好きな人には、泣いて欲しくないです。私まで余計悲しくなります」


「.........その言葉、そのまま全部返してやるよ」


「...?え」


小声で言っただけに、やはり聞こえなかったのか。

そして
今更ながらに 俺との距離に少し頬を染めている
ようだ。
鈍感ってコイツを指すのだろう。



「......あ、アーサーさんそういえば、なんですけど」

「ん?」



俺の服を小さく掴んで思い切ったように
顔を上げて話を切り出した。



「その...血を飲まなくて大丈夫なんですか?」


「ん...大丈夫って訳でもねーかな」


「......ですよね」

「お前から言うなんて珍しい......って事もねーか。......貰ってよろしいですか」


「...!ええと、良いに決まってます...」



敬語使っただけでこんな焦られんのか。
ちょっと面白いな。

夜警→←秘密



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
97人がお気に入り
設定タグ:ヘタリア , アーサー , 吸血鬼   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- アーサーがかっこいいよぉぉぉぉ(( すみません取り乱しましたw (2015年12月7日 19時) (レス) id: 9482af0798 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2015年10月30日 23時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
- アーサーかっこいい///続き楽しみにしてます! (2015年10月30日 17時) (レス) id: b03ebc546b (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - イギリスさん» いえいえ!いつも感想ありがたいです!! アーサーさんは格好良いイメージが強過ぎて…。楽しんで頂けて嬉しいです(*⌒▽⌒*)これからも頑張りますね! (2015年9月23日 20時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - 更新ありがとうございます!!コメント遅くなり、すみません!!アーサーさん、もうかっこいい…!!台詞とかやばいですね!!鼻血が…!!これからも頑張ってください!! (2015年9月23日 16時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:輝夜 | 作成日時:2015年4月6日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。