【ヘタリア】吸血鬼の捕虜になりました。

甘めに笑う ページ29

｢……ん」



目が覚める。
まだ朝が明ける前のようだ。
あたりは暗い…



｢…おはよう、早いな」



寝返りを打つと もう起きていたアーサーが
柔らかく微笑んだ。
昨晩の反動なのか 優しげな顔つきだ



｢その…おはようございます…」



直視できなくて、毛布で顔を埋める。
薄暗い中でも彼の顔はハッキリ見えたから

恥ずかしい



｢喉乾いただろ。 俺もさっき起きた所だ」



そんな私を特に気にせず 近くに置かれていた
水差しを手に取った。
そして口に注いだ。

喉に水が、唇から零れて 一筋流れた。
その様子が、色っぽい


そして、薄く笑って私を見詰め 頭を丁寧に支えてくれて上から唇を重ね合わせられる。



｢ん……っ」



水が、彼を介して流れ込む。

不意打ちでこんなことされたら…もう、びっくりするじゃないですか

でも気だるくて起き上がれる元気もない私には
ちょっとありがたかった




そして全部飲み込むと、離してくれた。
…と、困った顔をして覗き込まれる



｢抑えらんなかった、悪い」



｢アーサー…さん？」




すると、寝転んだまま 身体を覆われる




｢嫌なら 嫌って言えよな？
…でも抑えが効かなかった奴が言っても説得力あんまねーと思うけど、な」



つぶやくような声音に頬が火照るみたいだ

アーサーさん
そんなこと、考えてたんだ


私は彼の肩に手をかけた。



｢…あの、わたし……その……嫌じゃないです」



｢………A」


なんとなく彼の目が妖艶に見えた気がした
…気のせいかな。うん



｢だって、わたし アーサーさんの事が、」





すると、待った と頭をこつん と当てられる。



｢待て、それは俺から言う」


｢……な、」



すると、また押し倒されたような格好になる。
彼が私の上、私は彼の下。




｢俺は……もう、お前しか愛せない。」



｢……アーサー…さん」




そして、彼は私の少し着崩れたメイド服のリボンを弄んだ
少し顔を赤らめ 視線を思いっきり外している



｢…そういう顔、するんですねぇ」


｢……悪ぃかよ…元々こういう顔してるんだ。お前が俺に言い返していいと思ってんのか」


｢こ、このくらい良いじゃないですか」



お互い しばらくの間 睨み合うが、彼が珍しく折れた。



｢…今晩は…調教だな」



ボソリと物騒な事を呟いていたような
気のせいかな。←



｢と、とにかく…体が動かなくて…」


｢……仕方ねぇな」



軽く舌打ちしたと思えば私を抱き上げてしまう。

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