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雨と冷笑 ページ24

続きは夜にしようか。





そう言って私を焦らせた彼は
用があると言って私を向かいの椅子に下ろすと
屋敷を出て行った。




冗談がいいな…と無謀なことを考えながら
アーサーを待っていた。
家事もひと段落ついて、部屋でくつろいだ。


そして、

そろそろ日が落ちる頃となっても、
彼は帰らなかった。


どうしよう、夜になっちゃったな


勝手に先に寝たな、とか言われるのが怖いので
もうしばらく待つことにする。

でもこんな時間まで何をしているんだろう?
夜遅くに外にいたら危ないんじゃないかな…
と、心配になり


長い廊下を抜け 屋敷を出てみた。




・・・・・ポツリ、と頬に冷たい感覚がした




「・・・・・雨?」





まだ少ないから、降り始めかもしれない
アーサーは傘持って行かなかったよね・・・




と考えていたら不意に声が聞こえた。
そちらを反射的に振り返ると


暗がりの中で雨に濡れる赤毛の青年と
・・・・・ボロボロで倒れて引きずられてきたであろうアーサーがいた




「こ、これは・・・・・どういうこと、ですか?」




嘘みたいに身体が強ばる。
訳が分からないまま突っ立った。




すると赤毛の青年は答えた。




「ここまで来てやっただけ感謝しろ。・・・・・コイツはお前がよっぽど大事みてぇだしな」




言い終わるか否かで
バシャッ、と水溜りが出来たぬかるみの上に
掴んでいたアーサーの襟を投げ捨てる。


私はようやくアーサーに駆け寄ることができた。
うつ伏せになった身体を仰向けに起こした。
少し苦しげに顔を歪め、咳き込んだ。



・・・・・よかった、意識はあるみたい。



「あなた・・・・なんですか、こんな風にこの人を傷付けるのは」



もう背を向けて歩きだそうとしていた。
でも一言。私が言い終えた後に言い放った。




「・・・・・愚弟に、宜しくな。お嬢様」




赤毛の青年は、
振り返ることなく闇の中に消えて行った。



強気で頑張ったけど、
やっぱり怖かった・・・・・

愚弟って・・・アーサーのことなら
あの人はアーサーのお兄さんなの?

何か似てるな…なんて思ったけど本当にそうだったのね



・・・・・それにあの 突き刺さるような視線と
冷たい声が、身体を冷え切らせてしまいそうな
そんな感じがした。



・・・・・とにかく、アーサーの手当が先だよね。

調和→←気まぐれ為る主人



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設定タグ:ヘタリア , アーサー , 吸血鬼   
作品ジャンル:アニメ
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- アーサーがかっこいいよぉぉぉぉ(( すみません取り乱しましたw (2015年12月7日 19時) (レス) id: 9482af0798 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!これからもどうぞ、よろしくお願いします!! (2015年10月30日 23時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
- アーサーかっこいい///続き楽しみにしてます! (2015年10月30日 17時) (レス) id: b03ebc546b (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - イギリスさん» いえいえ!いつも感想ありがたいです!! アーサーさんは格好良いイメージが強過ぎて…。楽しんで頂けて嬉しいです(*⌒▽⌒*)これからも頑張りますね! (2015年9月23日 20時) (レス) id: eeb9acdab9 (このIDを非表示/違反報告)
イギリス(プロフ) - 更新ありがとうございます!!コメント遅くなり、すみません!!アーサーさん、もうかっこいい…!!台詞とかやばいですね!!鼻血が…!!これからも頑張ってください!! (2015年9月23日 16時) (レス) id: 7d024dd213 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:輝夜 | 作成日時:2015年4月6日 15時

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