【ヘタリア】吸血鬼の捕虜になりました。

哀愁と痛み ページ20

昨日からたまっていた家事を進めながら
私は考えていることがある。


それは、今朝 早朝の話に遡る。




＿＿＿＿




結局は夕べもあまり寝られなかった。

あんな事をまさか言うと思わなかったので、
固まりそうになるくらいだ。


まぁ、当の本人といえば、
恥ずかしげも無く私の事を抱き枕にして寝てましたけど…


なんとなく起こすのも、躊躇ったし
だからといって彼より早く起きて、
おはようございますとかうまく言える自信もないかった。


意識しすぎかもしれない。
むしろ聞き間違いなのでは…？？



･････！もうやめよう。だって

そう言われたとして、私はどうしたら･･･




と思った先に
彼が、身体をむくりと起こした。


薄目で彼を見てみると
どうやら釦を外しているようだ。


後ろ姿だけが見える



肩が見える



次には背中



･････と、



おもむろに上着を脱いだ。




いきなり脱ぎだした彼。

白い肌は、朝日を反射し兼ねないほどの白さだった
男性にしては細いのだろうか
でもしっかり付く所は筋肉質で…


本当なら目を伏せたかった。
男の人の身体はそんな間近で見たことは無いから




でも違う。

私は思わず目を見張った。







白く 冒され難いその背中は、


治りきらない深い傷跡＿＿＿
赤黒くなった痣や青馴染みが多く散在した。



そしてその間。数分だった。
それなのに息苦しさを感じる程長く思えた



何なの、あの痛々しい傷･･･
誰があんなことを。

多分私たち國は傷を負ったとしてもだいたい
治るのは普通の一般人よりは早い。



なのに、治ってないということは、

最近･････誰かに？




アーサーは着替え終わると部屋を出て行った



｢･････」



なんとなく、居心地悪さが解消されたが、
それよりも

彼に何があったのかが気掛かりで仕方なかった


あんなに酷く傷付けられているのに
痛い顔もしないなんて。


吸血鬼が関係しているのかな
それとも、国？


彼のこと、全然わからない

わかってない

彼のことを、知りたくなった。



そして
アーサーと自分はどこか重なる部分がある気がしていた。



助けてあげたいと、思った。



＿＿＿＿




････ただ、傷のことは自分からは
触れたくなかった。



なんとなく、彼が何処かへ居なくなってしまうと不意に思ってしまうから。


私はそんな自分を
酷く弱い人間だなぁ、とつい笑ってしまう


私は、アーサーの事が知りたくなった。

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