黒薔薇が咲く監獄にて。

7.入寮テスト ページ15

取り付けられたテレビ画面が点く。

その画面に映るは、先程見たばかりの絵心甚八だった。




『着替えは終わりましたか、才能の原石共よ』




手をわきゞとさせて此方を覗き込むように。

不健康な目元が何処か一点を見詰める。




『やぁ やぁ 』




わきゞとした手を下ろしながら画面から顔を離した絵心は、少しの間を置いてからこう語る。




『今 同じ部屋に居るメンバーはルームメイトであり、

高め合うライバルだ。


お前らの能力は俺の独断と偏見で数値化され、

ランキングされてる。


制服(ユニフォーム)に示される数字がそれだ。』




皆は一斉にも、左腕の番号をそれぞれ見直していれば、騒がしさが増していく。



『お前、一個上じゃん…』

『いやいや！！ちょっとアイツの腕見ろよ…

此処の最上位(トップランカー)だぞ！！？』

『マジか……』



1人が指差したその先にはAが居た。

Aはきょとん、とした顔をしながら今更ながらにも腕を見れば理解出来た。




｢ん…、あ〜、ボクが此処で1番上なんだネ？｣


『…ﾁｯ、』



…さっきから隣でﾁｯﾁｯって舌打ちしてんの気になるんだけど…、そんなに腹立つ？？？



絵心の説明は続いた。



ランキング上位5名は6ヶ月後に行われる、

'' U-20W杯(ワールドカップ) ''

FW(フォワード)登録選手とする。


然し…脱落した場合、この先一生代表入りを逃す。




『ここで勝ち上がるために必要なのは '' エゴ '' だ 。

今からその素質を測るための入寮テストを行う。




さぁ＿＿＿＿

'' オニごっこ '' の時間だ』

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