第５２話 その幹部、寝惚ける。 ※一部修正 ページ5
レティに呼ばれた気がした。
身体を動かす兵士の訓練や悪ふざけの鬼ごっこは好きで、ずっと座っていなくちゃいけない書類は大嫌いで。眠たくなって机に突っ伏したり、書類をしなくちゃいけない日なんてベッドから出たくなくなる。それでも、今はそんな事を言ってる場合ではなかったけど。
それでも、眠っていたい日はある。あれ、いま何時だっけ。
「こーら、起きてください。Broooock様」
「んん〜」
「早く起きないと、朝ごはんのカリカリベーコン、無しにしますからね」
「それはやだぁ」
母親を早くに亡くした僕は、レティに甘えてばかりだった。貴族の出だから良い役職に就いたけども、欲しいものには限界があった。
レティは僕がこの城に入った頃にはすでに居て、幼い頃から一緒だったNakamuのお気に入り。母上が生きてたらこんな風なのかな、なんて淡い幻想が具現化した人だった。
事あるごとにレティを探してて、見つけて、誉めて誉めてって甘える。城下町の美味しいご飯の事も、知らない価値観も、家庭教師からは教えて貰えなかったことをたくさん教えて貰った。だから、辞めるって聞かされた時は、泣いて駄々を捏ねて困らせてしまったんだ。
「レティ、ねぇ、」
もう少しだけ、夢の中で、会っていい？都合の良い夢だけど、また誉めてくれる？
「Broooock様」
レティ？
「ご主人様。起きてくださいませ。昼食のお時間でございますが、いかがなさいますか」
レティ、じゃない、
「おはようございます。チーさまに呼ばれまして、こちらに失礼しております」
視界に入る白いエプロン。ゆっくり視界を上げれば、栗色じゃない髪をまとめた、真っ黒なメイドがベッドに腰かけていた。
「……！？」
なんでいるの！？
聞えていないはずなのに、ベッドサイドに居たチーを指して、呼ばれたって言った？
レティだと、思っちゃった。久しぶりにレティに会う夢を見たから、見違えたのかな。
[おひるはあとでいいよ。もうちょっとだけ、ここにいて。]
「かしこまりました。三十分経ったら、一度お声がけいたしますね」
ちょっとだけエプロンを摘まんで引き寄せる。疚しい気持ちは無くて、僕が眠っている間傍に居て欲しいってだけで。
「……きんとき様に見られたら、魔法が発動するのかしら」
そんなことは、させないよ。
でもごめんね、もうちょっとだけ、おやすみなさい。
第５３話 その幹部、重ねる。→←第５１話 そのメイド、誘導される。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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