第５０話 そのメイド、弁明する。 ページ3
一通り触れ終えたきりやん様から、ほとんど包帯だったと感想をいただいた。
「あまり触れると、勘違いするメイドもいるのではないですか」
「そう誰彼触ったりしないよ……ねぇ、こんなに顔に包帯巻いてるって事は、かなり広範囲に怪我したの？」
医者の俺でも治せない？と目元に包帯を巻いた、きりやん様の顔が向けられる。嘘をついても、彼等の前では無駄だから。今日だけでここまで関わってしまった以上、黙っている事は難しそうだ。
「これは、ただの、私にかかった呪いです」
「のろい……呪い……？！」
「幹部の皆様と比べるのも烏滸がましいですが、大したものではございません。強いて言えば、物心つく頃からでございます」
マムに拾われる前の事は、あんまり覚えてない。カゲに聞いても、知ってどうするだとか、過去のことだろうってはぐらかされるから、ただの呪いとしか言えないのだけど。
「じゃあ、俺の呪いが解けたら、真っ先に治療するよ。約束させて」
「それは、是非に」
ほんの少しだけ、期待してしまった。嗚呼、また黒く染まる。醜い顔を晒すなんて、できないのに。
「あら、もしかして良い雰囲気？」
「カロンさま。お帰りなさいませ」
「カロン！？違う、これは違うって！ほら触診！触診だっ」
「問答無用よ」
カロンさまはきりやん様のこめかみを両手の人差し指の第二関節でぐりぐりと押していた。どういう事なんだろう……痛いのかしら？
「もう。Aさんも幹部命令だからって全部聞かなくて良いのよ？」
「いてて……だから、弁明させてってば」
「カロンさま、ご心配ありがとうございます。きりやん様は触覚からの情報をお求めでしたので、応じたまででございます」
「ふぅん？疚しい事はないと？」
「無い！無いです！断じて！！」
きりやん様、カロンさまに頭が上がらないのかしら……。
「顔は片方の目元以外は包帯と前髪で隠れておりますので、あまり情報にはならなかったと思いますが」
「きりやん様のデリカシーの問題よ？Aさん」
何もなかったのでこれ以上私が弁明しても無意味と判断した。あれこれ話す様が、かえって怪しいのか、私が退室するまできりやん様は謝り続けていた。
第５１話 そのメイド、誘導される。→←第４９話 そのメイド、触れられる。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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