第４４話 そのメイド、喚び出す。 ページ47
処分所にメイドの遺体を運び終えると、肩に力が入っていたことに気付く。入口に居た兵士は私を見て、一瞬驚いていたけども、説明すると慣れたように案内してくれた。
「アンタも大変だな。その魔法も含めて」
「お気遣いありがとうございます」
「アンタあれだろ、イキってた兵士を瞬殺したっていう黒いメイド」
「そこまでご存知なのですか」
有名だからな、とその兵士は出口まで雑談を続けていた。あまり人と話すことが得意ではないので、適度に相槌を打って終わってしまった。ポケットの時計を確認すると、お昼まであと十数分と迫っていた。嗚呼、遅れないようにしないと、エプロンを換える時間が無い。
いつものように扉をノックして開けると、大きな口と大きな背びれを持つ魚が、シャークん様の部屋を悠然と泳いでいた。
「あぶない！！」
私の目の前で停まり、シャークん様の後ろに旋回して控える大きな背びれのある魚。少し開いた大きな口には、シャークん様と同じようなギザギザの歯が並んでいる。
「シャークん様、お食事をお持ちしました」
「おー来た来た……もしかして使い魔見るの初めて？」
「いえ、以前スマイル様ときんとき様、Broooock様の使い魔さんを。偶然ですが」
「へぇ。こいつは俺の使い魔のグリューン。たまにこうやって遊ばせてるんだ」
「魚……ではなさそうですね」
「サメな。惜しいけど」
サメ。肉食の大型な魚……ではなく、サメという種類らしい。また本を読んで勉強しよう。
どうやらグリューン様は、私の纏う血の匂いに反応したらしい。そういう種類の生き物なのだとか。ますます本を読んで勉強しなくては……
「お前も契約してんの？」
「はい。魔法も一部は使い魔が影響しております」
「な、お前のも見せてよ」
「畏まりました」
おいで、と踵を鳴らすと現れる三体。何事？と顔を寄せてくるルーチェ、シャークん様の使い魔を気にするルークス、止まり木を探すセレーネ。
「三体も……かなり珍しいな？！」
「契約というより、物心ついた頃からすでに、このような仲でしたので」
「もしかして、あの森に棄てられた時期？」
「ご名答でございます」
グリューン様がお部屋を回遊する空間で、いつも通りのお昼になった。私が仕事をしている間に、私の使い魔たちと打ち解けていたらしい。あのルークスが飽きていなかったのだから。
第４５話 そのメイド、聞く。→←第４３話 その幹部、懊悩する。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主人も自分も怖がらずに接してくれた＋ご主人に優しいメイド！という認識の結果、めっちゃ懐いちゃったグリューンです。 (8月21日 7時) (
レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - グリューンが可愛いと思ったのはきっと私だけじゃないと思います！！実際にいて欲しいと思っちゃいました！！ (8月20日 4時) (レス) @page48 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - みゅんみゅんさん» コメントありがとうございます!!!!凄い、古参読者様だ……!!今回ついに最後の一人と絡みます!! (5月15日 23時) (レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
みゅんみゅん(プロフ) - ５話くらいの頃からずっと読ませていただいています！だんだんと夢主との絡みが多くなってきていてワクワクします、更新楽しみにしてます！ (5月14日 14時) (レス) @page30 id: 1c8f9011d0 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - ほっとミルクさん» 外見的コンプレックスが今回の要素でもあるので、夢主の立場と性格生い立ちその他を混ぜた結果、包帯ぐるぐるメイドになりました( ´∀`)応援ありがとうございます！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
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