第２話 その幹部、集う。 ページ5
城の最上階、幹部と一部メイドのみが入室を許可された部屋にて、四人が長机に広げられた資料を睨む。そして一人は説明を求める。その彼の目元には、白い布が巻かれていた。
「今年は二百人くらいか……」
「妥当な人数、ではあるな」
「去年、減らし過ぎたからね」
「元凶がよく言う」
空席の前に置かれた拳大の魔石から、抗議の声が聞こえる。
『俺のせいにされるのも癪なんだけど』
「嗚呼ごめん、その点に関しては口留めが足りてないや」
悪びれる様子もなく、一人が続ける。その目は暗く、目の下の隈も濃い。
[今年はスイセンされた子がいるんだっけ？]
「スイセン……嗚呼、推薦な。いたのか？」
「いるよ、この黒い子」
写真付きの履歴書には、推薦の文字が記されている。黒い子と称してみせるほどに、そのメイドは黒だった。この国では珍しい、黒い髪と黒い目を持つ、良く言えば大人しそうな、悪く言えば不気味な容姿をしていた。
「ま、今年もある程度は減るでしょ。俺としては面倒事を起こさないメイドが残ってくれたらいいや」
「スマイルとBroooockは専属つけないの？」
[ぼくはべつに〜]
「俺も面倒だから」
専属メイドを持たない二人は、いつものように流した。ぺらぺらと履歴書に目を通し、書類と突き合わせ、スパイが混ざっていないかとこれ以降の仕事に目頭を押さえる姿もあるが、大まかな話し合いは終了したので、上座に座る彼は手を叩いてお開きを告げる。
「きんとき、」
王冠を片手にした彼の声が、一人を呼び止める。振り返る事なく、呼ばれた彼は足を止めた。
「あんまり背負うなよ」
「……わかってるよ」
閉じられた扉を見つめ、彼は自嘲気味に笑う。
「わかってたら、こっち向けよ」
第３話 そのメイド、紹介される。→←第１話 そのメイド、入城。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主人も自分も怖がらずに接してくれた＋ご主人に優しいメイド！という認識の結果、めっちゃ懐いちゃったグリューンです。 (8月21日 7時) (
レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - グリューンが可愛いと思ったのはきっと私だけじゃないと思います！！実際にいて欲しいと思っちゃいました！！ (8月20日 4時) (レス) @page48 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - みゅんみゅんさん» コメントありがとうございます!!!!凄い、古参読者様だ……!!今回ついに最後の一人と絡みます!! (5月15日 23時) (レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
みゅんみゅん(プロフ) - ５話くらいの頃からずっと読ませていただいています！だんだんと夢主との絡みが多くなってきていてワクワクします、更新楽しみにしてます！ (5月14日 14時) (レス) @page30 id: 1c8f9011d0 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - ほっとミルクさん» 外見的コンプレックスが今回の要素でもあるので、夢主の立場と性格生い立ちその他を混ぜた結果、包帯ぐるぐるメイドになりました( ´∀`)応援ありがとうございます！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
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