第３４話 そのメイド、尋ねる。 ページ37
黒、と言われ続けているが、私以外に居ないという訳ではない。シャークん様ときんとき様は恐らく黒髪だろう。詳しい色彩は解らないが、今まで会った人の中で夜空に近い色をしている。
「ご主人様ときんとき様の御髪は、黒いのですか？」
「何をいきなりそんな当たり前な事を」
別の日の、いつもの昼食を運んだ際、不躾ながらに尋ねると、一拍空いて尋ね返された。
「失礼いたしました。自分以外で同じ色の髪の方に会った事が無いので」
「あー……確かに、この国だとちょっと珍しいよな」
わしわしと自分の髪に触れるご主人様に呼び掛けられる。加減できなかったらゴメンと謝られた。一ヶ月近くかけて特訓した力加減は、パンが凹まない程になり、現在はカトラリーを曲げないための特訓に進んでいる。それはさておき、伸ばされた手先は、前髪に触れた。
「器用に編んでんな」
「この髪型が、一番落ち着くので」
「長いの？専属メイドとかはリボンで束ねてるけど」
「私は無所属ですので、キャップでも良いと許可を戴いております」
「きんときに目ぇ付けられてんだっけ。何でそこまで嫌うかな……」
「私にも正直……」
同情を売ってる浅ましいメイドとでも思われているのだろうか。だとしたらかなり心外だが、言った所で彼の額に筋が浮かぶだけだ。あれって血管なのかな。マムは「青筋」って言うのよって教えてくれたな。
「目、両方出したら？」
「それは難しいかと」
「え？Nakamuみたいなカンジじゃねぇの？」
「いえ……ちょっと諸事情で」
言い出した身ではるが、これ以上は詮索されたくない。毎朝ギリギリまで前髪を編み込んで顔を隠しているのだから。彼が誰かに話さないという保障は何処にも無いのだから。
「ま、似合ってるし良いんじゃない」
「お褒めいただき、感謝いたします」
第３５話 その幹部、お墨付き。→←第３３話 そのメイド、退室する。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主人も自分も怖がらずに接してくれた＋ご主人に優しいメイド！という認識の結果、めっちゃ懐いちゃったグリューンです。 (8月21日 7時) (
レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - グリューンが可愛いと思ったのはきっと私だけじゃないと思います！！実際にいて欲しいと思っちゃいました！！ (8月20日 4時) (レス) @page48 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - みゅんみゅんさん» コメントありがとうございます!!!!凄い、古参読者様だ……!!今回ついに最後の一人と絡みます!! (5月15日 23時) (レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
みゅんみゅん(プロフ) - ５話くらいの頃からずっと読ませていただいています！だんだんと夢主との絡みが多くなってきていてワクワクします、更新楽しみにしてます！ (5月14日 14時) (レス) @page30 id: 1c8f9011d0 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - ほっとミルクさん» 外見的コンプレックスが今回の要素でもあるので、夢主の立場と性格生い立ちその他を混ぜた結果、包帯ぐるぐるメイドになりました( ´∀`)応援ありがとうございます！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
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