第１２話 そのメイド、釘刺される。 ページ15
「スマイルの事を悪く言ってたメイド達を、Nakamuの所に引き摺ってったんだんだって？」
出会い頭に挨拶する間もなく、そう尋ねられた。この声は覚えている、外交官のきんとき様だ。
「それが一番、手っ取り早いと思いましたので」
「Nakamuの仕事を増やすな。俺の所に引き摺ってこればよかっただろ」
「ご主人様の執務室を、まだメイド長に教えていただいておりませんでしたので」
誰の専属でもない上に、権限もない新人の私にできる事は、それくらいだった。そもそもきんとき様の顔は今日初めて見た上に、執務室を知らない。
「あいつ等に同情するのも、辞めてくれる？」
「同情もなにも、幹部の皆様は、まだスマイル様と陛下にしかお会いした事がありません。あちらから呼ばれない限り、私からは何も話しておりません」
「私もなんです、なんて過去どれだけ同情したふりして、浅ましく迫ったメイドが何人居たと思ってんの？」
「さぁ……まだ就職して一ヶ月ほどしか経過しておりませんし、他のメイドとは最低限しか会話が無いので」
なんだろう、会話が嚙み合っていない気がする。八つ当たりのような、こちらの話を無視して押し進めるような会話だ。
「じゃあ、今後一切、あいつ等に近付かないで」
「畏まりました。最優先の命令として頭に入れておきます」
あ、同格の方に命令された場合はどうするべきなんだろう。最優先とは言ったものの、気にするなとも言われかねない……マムだったらどうするかな。やっぱり最優先かな。
「口先だけならどうとでも言えるから、嫌だけど魔法使わせて貰うわ」
「どうぞお好きになさってください。それで、ご主人様の気分が晴れるなら」
調子狂うと小さい声が聞こえた気がするが、気にした所で意味が無い。目の前の彼は、どうしても私を遠ざけたいらしい。
「破ったら、お前が苦しむだけだよ」
長い指が、包帯越しに首に触れる。おそらく、声帯に制御する魔法をかけたのだろう。それか呼吸を制限するか。仕事として接するのは許容範囲内らしく、それ以外の過剰接触は魔法が発動するらしい。抑揚のない声で、そう告げられた。
第１３話 そのメイド、代行する。→←第１１話 その幹部、思い出す。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - すみれいんさん» コメントありがとうございます！主人も自分も怖がらずに接してくれた＋ご主人に優しいメイド！という認識の結果、めっちゃ懐いちゃったグリューンです。 (8月21日 7時) (
レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - グリューンが可愛いと思ったのはきっと私だけじゃないと思います！！実際にいて欲しいと思っちゃいました！！ (8月20日 4時) (レス) @page48 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@pc垢 - みゅんみゅんさん» コメントありがとうございます!!!!凄い、古参読者様だ……!!今回ついに最後の一人と絡みます!! (5月15日 23時) (レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
みゅんみゅん(プロフ) - ５話くらいの頃からずっと読ませていただいています！だんだんと夢主との絡みが多くなってきていてワクワクします、更新楽しみにしてます！ (5月14日 14時) (レス) @page30 id: 1c8f9011d0 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - ほっとミルクさん» 外見的コンプレックスが今回の要素でもあるので、夢主の立場と性格生い立ちその他を混ぜた結果、包帯ぐるぐるメイドになりました( ´∀`)応援ありがとうございます！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
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