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第11話 その幹部、思い出す。 ページ14

資料室に向かう途中、俺の耳が聞こえない事を知っているメイド達が、前方に群がり俺の事を色々と悪く言っているらしかった。聞こえないから、邪魔だなと視界から外してみるけども、ドロドロとしたものが募っていく事に代わりは無い。
きんときが見たらダイヤ剣片手に微笑んでんだろうな、目は一切笑ってないんだろうけど。まぁどうせ、俺等に見えない所で処罰してんだろうけど。

「_______」

後ろに控えていたメイドが、何か言ったらしい。目の前のメイド達の視線が一斉に俺の後ろのメイドに向けられ、無意識のうちにそっちを向いた。生憎包帯で顔のほとんどを覆っているから口の動きを読むなんて至難の業だが、それでも、光のない黒い目が、少しだけ鋭くつり上がった気がした。

また騒ぐメイド達と、後ろのメイド。ビビる事もなく怒りを露にする訳でもなく、淡々と反論しているらしい。その途中、メイド服の裾を左右摘まみ、少しだけ持ち上げた。
するとどうだ、詰め寄ろうとしていたメイド達は一歩も、腕さえ動かせなくなっていた。あれ、こいつ転移魔法を使うんじゃ……そういえばこの顔、どっかで見たような……あぁ、そうだ。

今年の、推薦者だ。前メイド長の推薦でメイドになった、真っ黒なメイドだ。

でもこれからどうするんだろうか。どっかに連れていく?近くで見守っていた使用人達の示す方向は、Nakamuの執務室。そう来るか。ちょっと面白そうだ、なんて場違いな事を考えてしまう。

一纏めにしたメイドをどういう原理かで引き摺っていたが煩かったらしく、更に追い打ちで魔法を使ったらしい。目の前のメイド達が黒い空間、言うなら建物の陰のような大きな空間の中に一瞬で落ちた。いや、飲み込まれたような。
尋ねてみようかとも考えたが、どうせ答えは聞こえない。今度改めて聞くことにして、Nakamuの執務室まで付いていくことにした。

第12話 そのメイド、釘刺される。→←第10話 そのメイド、尋ねられる。



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作品ジャンル:ファンタジー
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紅鴇ベニトキ@pc垢 - すみれいんさん» コメントありがとうございます!主人も自分も怖がらずに接してくれた+ご主人に優しいメイド!という認識の結果、めっちゃ懐いちゃったグリューンです。 (8月21日 7時) (レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - グリューンが可愛いと思ったのはきっと私だけじゃないと思います!!実際にいて欲しいと思っちゃいました!! (8月20日 4時) (レス) @page48 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ベニトキ@pc垢 - みゅんみゅんさん» コメントありがとうございます!!!!凄い、古参読者様だ……!!今回ついに最後の一人と絡みます!! (5月15日 23時) (レス) id: 34f7b3b145 (このIDを非表示/違反報告)
みゅんみゅん(プロフ) - 5話くらいの頃からずっと読ませていただいています!だんだんと夢主との絡みが多くなってきていてワクワクします、更新楽しみにしてます! (5月14日 14時) (レス) @page30 id: 1c8f9011d0 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ベニトキ@端末垢 - ほっとミルクさん» 外見的コンプレックスが今回の要素でもあるので、夢主の立場と性格生い立ちその他を混ぜた結果、包帯ぐるぐるメイドになりました( ´∀`)応援ありがとうございます! (2023年4月6日 11時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鴇ベニトキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年1月17日 23時

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