しょうへい そのさん ページ34
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翔平side
伸ばした手を振り払われて、驚いたような顔をする樹。
…あぁ、そのまま俺の事嫌いになってくれないかなあ。
せっかく仲良くなったのに。
俺がこんな気持ちじゃ、友達で居られない。
樹と気持ちが通じ合うことなんて、一生ないことぐらい分かってる。
樹「待てよ、」
『…っ、樹も、早く戻んなきゃだろ?』
樹「先生に言って来たからいい。」
『はは、サボる気?笑』
樹「なぁ、作り笑いとかやめろよ、」
『…してないけど、笑』
樹「いいって、そういうの。泣きたかったら泣けばいいじゃん、俺邪魔だったら出てくしさ。…あとその顔だったらバカでも泣いたってわかるわ。」
『…、』
樹「俺先戻ってるから、思う存分泣いてからこい。」
そう言って男子トイレから出ていってしまおうとする樹。
勝手にかっこいい事一人で言って勝手に出ていこうとするから、…なんなんだよこいつほんと、
『っ、まって、』
樹「え?」
『…っ、』
咄嗟に樹の袖を掴んだものの、そういえば自分は素直に気持ちが言えるほどの勇気を持ち合わせていなかったことを思い出す。
掴んだまま黙りこくる俺を、じっと見つめる樹。
やっぱり、言えない、
樹に、そばにいて欲しいなんて。
…なのに、樹はどこまで好きにさせたら気がすむんだろうか。
樹「…いて欲しいなら素直にいえばいいのに、笑」
『…るせ、』
樹「はいはい。」
『っ?!、ちょ、おま、』
樹「うるさい、こうしたら顔見えないでしょ。」
『…、』
樹「…ちょっと恥ずかしいんだから黙るのやめて、笑」
『っ、ごめ、…ありがと、』
樹「うん。早く涙枯らせ。」
『…っ、うぅ、』
ぎこちなく、優しく抱きしめられて、さっき堪えた涙が一気に溢れ出てきた。
こんなので、淡い期待を抱いてしまう俺は生粋の馬鹿だと思う。
どんどん好きになる。
気がついてしまえば、変に意識するようになってしまって。
樹は、知らない。
俺にとって、こうしてくれることが何よりも嬉しくて、何よりも苦しいということを。
この涙が溢れるのは…紛れもない、樹のせいだということを。
樹はきっと、もうこんな出来事覚えちゃいないだろう。
今となってはなんだか笑えてくるほど、変な話で。
…誰が考えただろう。
ガキにして知った恋の苦しさが、ちゃんと報われる日が来るなんてこと。
fin
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作者の呟き
リンクちゃんと貼れてなかったごめね
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堀愛咲 - 絶対続編書いて下さいね!!!特に山海!! (2021年3月21日 11時) (レス) id: c4d5da031d (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます。完結まで行きつけたのは読者の皆様のおかげです…!本当にありがとうございました。明日辺り、しょへさんのお話をあげる予定ですので、楽しみにしていてください♪ (2020年12月15日 22時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - 完結まで書いていただきありがとうございます!途中切なすぎて、本当に泣きました…このお話大好きです!!!山彰さん北人さん海青さんしょへいつのその後も全部気になります…お時間ありましたら書いていただけると嬉しいです!! (2020年12月15日 19時) (レス) id: 30ecbafb1c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - さーきーさん» ありがとうございます。色々書きます!完結できたのも読者様のおかげです。本当にありがとうございました。もう少し、お付き合い下さい。 (2020年12月13日 8時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - ゆあらむさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです、!続編、前向きに検討させていただきますね。その時はまたよろしくお願いします。笑 (2020年12月13日 8時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白湯 | 作成日時:2020年10月18日 23時