遠く ページ9
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樹side
山「俺は単に、あいつがいっちゃんのこと本当はどう思ってるのかが知りたくてな。」
『…』
山「聞いてみた。あいつの本音。それだけだよ。」
『そうですか、…っ翔平はなんて、』
山「いっちゃん。それは俺の口からは言えん。」
『…分かりました。』
諭されるように言葉を遮られて、いつの間にか気持ちが焦っていたことに気づく。
山「翔平も何かと不安らしくてさ。」
『不安、ですか。』
山「…でもほら、翔平も色々樹には感謝してるみたいだよ。」
『はい、』
山「それは俺からも礼を言うわ。…あいつが一番辛い時に、横にいられるのはいっちゃんだけだったみたいだから。」
『っ、』
山「…俺じゃ、どうも力になれんくてな。」
そう言って俺からすっと目線を外したやましょーさんは、どこか遠くを見つめるような目をしていた。
山「いっちゃんなら、いつでもあいつに寄り添ってやれるよ。笑」
そう言って苦笑する。
やましょーさんは、辛いのだろうか、
分からないけれど、どこか苦しそうな表情の彼。
そりゃあ好きな人がこっちを向いてくれないことほど辛いことは無いと、俺だってよくわかる。
翔平は、いつも俺の隣にいたわけじゃなかったから。
もちろん小さい頃から一緒にいるけれど、それは週に何回もあるレッスンの時間を共にしていたから。
駅で別れてしまえば、翔平は長崎、俺は福岡。
当時まだ小さかった俺にはとんでもない距離だった。
その距離が心の距離という訳では無いのに、ずっとずっと不安だった。
…だから、好きな人から他の女の子の話を聞くのは辛かったし、それがましてや、翔平のことを好きな人間の話を聞くなんて、きっと俺は耐えられない。
山「…なあいっちゃん。翔平のこと、好き?」
『好きですよ。』
山「そっか。…じゃあ、いいか。うん。なんでもない。」
やましょーさんは?と聞き返すことは出来なかった。
山「やっぱ教えてあげない。翔平から聞いて。」
『ええっ、』
山「ま、なるようになるわ。てかさっき翔平にも言ったけど、なんで君ら2人とも着替えてないの?時間やばいんじゃない?」
『えっ、あ!!やばい田口くんに怒られる!すんません失礼します!』
山「へいへい。
…やっぱり、種明かしはまた今度。」
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作者の呟き
リンクちゃんと貼れてなかったごめね
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堀愛咲 - 絶対続編書いて下さいね!!!特に山海!! (2021年3月21日 11時) (レス) id: c4d5da031d (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます。完結まで行きつけたのは読者の皆様のおかげです…!本当にありがとうございました。明日辺り、しょへさんのお話をあげる予定ですので、楽しみにしていてください♪ (2020年12月15日 22時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - 完結まで書いていただきありがとうございます!途中切なすぎて、本当に泣きました…このお話大好きです!!!山彰さん北人さん海青さんしょへいつのその後も全部気になります…お時間ありましたら書いていただけると嬉しいです!! (2020年12月15日 19時) (レス) id: 30ecbafb1c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - さーきーさん» ありがとうございます。色々書きます!完結できたのも読者様のおかげです。本当にありがとうございました。もう少し、お付き合い下さい。 (2020年12月13日 8時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - ゆあらむさん» ありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです、!続編、前向きに検討させていただきますね。その時はまたよろしくお願いします。笑 (2020年12月13日 8時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白湯 | 作成日時:2020年10月18日 23時