How about you? ＿2nd

キャパオーバー ページ18

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翔平side








目が覚めると、辺りは真っ暗だった。

…あれ、ベットで寝てる、
どうなったんだっけ。

確か、泣いてたらやましょーさんが来て、俺も参ってしまっていたのか昔話をぺらぺらと喋ってしまったのだったか。

ベット…やましょーさんが運んでくれたのか。

この家からは人の気配がしないから、もう帰ってしまったのだろう。
鏡を見ると、あれだけ泣いたのに全く腫れていない目。
冷やしてくれたのか、？
玄関に行くと、あの大荷物はすっかりなくて。
急いでキッチンに行くと、薬類はテーブルの上、冷蔵庫にはちょっとだけ無造作にぶどうゼリーが大量に詰めてあった。

すると、机の上のスマホが "ヴッ"と音を立てた。
そこには、やましょーさんから3件の通知。


彰吾明日朝8時。

翔平運搬代

ゼリー3個。




『はは…やましょーさんって実はめちゃくちゃ世話焼きなんだよな、笑』


彼の優しさが心に染みすぎて、ちょっと痛い。

時計の短い針は、もうてっぺんを超えてしまっている。
リハ8時からって…早いなあ。

樹、明日来るかな。





『…看病してもらってるんだから、すぐ元気になるよな。』



インターホンに出たあの女の人は、樹がぶどうのゼリーが好きだと知っているのだろうか。




…やめよう、もう俺には、関係の無い話だ。

樹は、ずっと遊びだった。
それだけ。

それ以上は何も考えたくない。

全く整理できてない状態だけど、今の自分は樹にとってきっと邪魔なんだろう。

遊びだったのに相手に本気で好きになられたら、うざいに決まってる。

樹の重荷にだけはなりたくない。

この期に及んでも考えるのはやっぱりそんなこと。
だからこそ、本当のことを聞いてしまうと、もう俺が俺でなくなってしまうような気がして。

ベッドに入って考えてみようとしたけどやはりキャパオーバーだったようで、意識はゆっくり途切れて行く。






こんなにも大きく空いてしまった心の穴をどうやって塞ぐかなんて、考えつかないまま。









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作者の呟き

リンクちゃんと貼れてなかったごめね

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