いつになく ページ7
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樹side
いつになく真剣なトーンで俺を見つめて尋ねてくる北人さんに戸惑いの声が漏れる。
『だっておかしいでしょ。男同士っすよ?翔平きっと俺のこと仲間としか見てないですし、』
北「お前それ何を根拠に言ってんの?」
『いやいや、翔平が俺のこと好きな訳なくないですか?絶対気持ち悪がられますよ。んでもって気遣われるだけですよ。』
北「…それで、諦められるの?」
『…俺のこんな気持ち、グループには邪魔でしかないんですよ。』
北「ちげえよ」
目を逸らして俺がそういった途端、凄く怒ったような顔をするから、少し驚いてしまう。
北人さんは、カチッと箸を机に置いて真っ直ぐに俺を見つめた。
北「別にグループにとってとかそんな話してねえよ。お前が諦められるのか、お前がどう思うのか聞いてんだけど。」
ほんとに稀に見る、北人さんの本気の怒りモードにひゅっと喉がなる。
"グループにとって" "翔平がどう思うか"
そんなことばかり考えてきた俺には、到底今すぐに答えを出せるものではなくて。
目を泳がせて黙りこくってしまった俺の答えを、瞳をそらさずに待ってくれている北人さん。
だけど、すっかり酔いが冷めた頭でいくら考えても、自分がどう思うのかは分からない。
『…わからない、です、』
北「…そっか、」
正直にそう言うと、怒ってた顔を元の柔らかい表情に戻して、少し眉を下げた顔で告げられる。
北「お前は自分をないがしろにしすぎ。もっとわがままでもいいと思うよ?」
"ちょっとぐらいわがままな方がモテるしね〜"なんて冗談半分で言って、少し焦げてしまった肉をタレにつけて食べる北人さん。
はたりと箸が止まってしまった俺を見て、食べて食べてと催促してくる。
北「もー、樹が頼んだんだからね?」
『っ、はい、』
北「諦めるのなんて、いつでもいいんだよ。」
『はい』
北「どうせ諦めるんなら、自分と向き合ってからでも遅くはないんじゃないのって話。」
『…はい、』
北「言っとくけど俺、このままなんもしないで終われる程、樹が馬鹿だとは思ってないからね。」
『っ、ありがとう、ございますっ、』
北「もぉ〜、なんで泣いてるの〜。笑」
『っ泣いてなんか、』
北「泣いてますー。」
…おかしいな。
いつになく、北人さんがかっこいい。
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作者の呟き
2ndへ続く…
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苺くぅ - はい!気長に続きをおまちしております。 (2020年10月5日 20時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 苺くぅさん» ありがとうございます。とても嬉しいですし励みになります。これからもお読み頂けるととても嬉しいです。どうぞご贔屓に。 (2020年9月30日 23時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
苺くぅ - 面白ろ過ぎます!! (2020年9月30日 18時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 佐藤 友菜さん» やはりやましょーさんを重要な役に置いてしまう作者です。オンラインライブかっこよすぎたので更新頑張ります (2020年9月21日 6時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - はい、読み続けます。もうーハマってしまいました(笑) (2020年9月21日 1時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白湯 | 作成日時:2020年6月14日 7時