醜い感情 ページ41
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樹side
不意に、やましょーさんが翔平の頭に手を置いた。
そこで俺の思考は一旦停止したのだが、何とか意識を戻して今度はよく観察する。
そしてそれに、翔平も満更でもなさそうに安心したような顔になるから、必死に胸の奥から醜い感情が顔を覗かせるのを押さえつける。
なんだ、これ。
『…はは、なんか楽になりました、ありがとうございます。』
やめて、俺以外の前でそんなに優しい顔をしないで、
それが、俺の好きな笑顔だから、
彰「…翔平ってホント、隙だらけだよな。」
『え？』
彰「そんなんだったら、俺でも簡単にキスできるよ。」
『え？！』
一瞬、頭が真っ白になるような感覚。
今のは、冗談？
だけどあの真剣な顔を見れば、とても冗談には思えない。
…やましょーさんは、翔平のことが、好き？
彰「…はは、じょーだんじょーだん。ほら、順番もうすぐじゃない？そろそろ戻れば？」
『え…え、あ、ほんとだ！すみませんっ、コーヒーありがとうございましたっ！』
回らない頭でつい考え込んでいると、翔平と、ついでに盗み聞きしていた俺も適当にはぐらかされて、俺に気づかないまま走って行ってしまった翔平。
翔平の姿が見えなくなったところで、ゆっくり立ち上がったやましょーさんは一つ伸びをして振り返った。
彰「さて。…俺らには戻れなんて言ってた割にはえらい姑息な真似するんやな。」
…バレてたか。
『…いつからですか。』
彰「さぁ？」
盗み聞きしていたことを言い訳するのも忘れて、焦った俺は口を開いては言葉が零れていく。
『やましょーさんは、翔平のことどう思ってるんですか。』
彰「ふは、どうだろうね。」
『はぐらかさないでくださいよ、』
彰「まあ、そんな焦んなくてもいいんじゃない？」
『っ翔平のこと、いじめないでください、』
彰「…いじめてんのはどっちだよ。」
『っ、それは、』
すっと声色が変わった彼にたじろぐ。
なんだか弄ばれているような気もするし、どこからが本気なのかも分からない。
必死に平然を装うけど、多分俺はこの人には叶わなくて。
もし、やましょーさんが翔平を好きなら、俺に勝ち目はあるのだろうか。
いつも仲良さそうに某動画配信アプリを撮ったり、なんだかんだ一緒にいたり。
そして何より、俺には見せない翔平のあの笑顔が、全てを物語っているとしたら？
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作者の呟き
2ndへ続く…
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苺くぅ - はい！気長に続きをおまちしております。 (2020年10月5日 20時) (
レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 苺くぅさん» ありがとうございます。とても嬉しいですし励みになります。これからもお読み頂けるととても嬉しいです。どうぞご贔屓に。 (2020年9月30日 23時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
苺くぅ - 面白ろ過ぎます！！ (2020年9月30日 18時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 佐藤 友菜さん» やはりやましょーさんを重要な役に置いてしまう作者です。オンラインライブかっこよすぎたので更新頑張ります (2020年9月21日 6時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - はい、読み続けます。もうーハマってしまいました(笑) (2020年9月21日 1時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白湯 | 作成日時：2020年6月14日 7時
