いい先輩 ページ30
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北人side
別に樹が鈍感バカ野郎なのは今に始まった事じゃないし。
俺も分かりやすかったと思うよ？
少なくとも壱馬にはバレたくらいだからね。
もちろん樹が翔平のこと好きなんだってのもすぐに分かったし、翔平も翔平でずっと樹のこと目で追ってるから、多分メンバーの半数以上気づいてる。
もっとも、こいつらはバレてないと思ってるようだけど。
『じゃ、もうちょっと頑張ってみるってこと？』
樹「そうですね、好きになってもらいます。」
『フーフー笑』
樹「うるさいっす笑」
割と長いこと相談を受ける中で、もちろん樹のこと諦めるのには時間がかかった。
まあその話は、今じゃなくてもまたいつか。
『いいねぇ、恋。』
樹「いやどしたんすか。」
『俺は応援してるよ。頑張って。』
樹「…ありがとうございます。」
『やだなぁ、かしこまって、笑。』
樹「俺も嫌です笑、」
『いいじゃん、わがままにいこうよ。』
樹「諦めるのは、自分と向き合ってからでも遅くないっすもんね。」
『やめて、今更恥ずい、笑』
自分と向き合って、か。
俺が1番言っちゃいけないような事な気がするわ、笑
樹に嫌われるのが怖くて、樹と翔平が両片思いなのを都合よく思って樹の"相談相手"に逃げた俺なんて。
樹に気持ちを伝える資格もない。
そのくせして、樹から翔平の話を聞くのにもう何も感じなくなった訳でもなくて。
今も好きかって聞かれたら、うん。好き。
でもほら、叶わない恋って分かってるなら、好きな人の幸せを願う方が格好がつくでしょ？
あの時口から出た言葉は、全部俺が貫き通せなかったこと。
樹には笑っていて欲しいから、俺みたいな過ちを犯して欲しくないから、託すように言葉を並べたんだと思う。
『明日は久しぶりのランペ全員集合じゃない？』
樹「そうですね。」
『ふふ、作戦会議しようよ。』
樹「作戦会議っすか？笑」
俺はね、樹が思ってるよりいい先輩じゃないんだよ。
腹ん中ではこんなこと考えてるだなんて、樹は気づかなくていい。もちろん一生。
俺だってこの気持ちに気づかなかったら、なんて何百回も考えた。
世の中、案外知らない方がいいことも多いみたい。
まあとりあえず、
『樹、まだ食べるの？』
樹「あ、はい。」
『…よく食べるね、お腹壊さない？』
樹「大丈夫ですよ。」
今はわがままじゃなくてもいいよ。
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作者の呟き
2ndへ続く…
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苺くぅ - はい！気長に続きをおまちしております。 (2020年10月5日 20時) (
レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 苺くぅさん» ありがとうございます。とても嬉しいですし励みになります。これからもお読み頂けるととても嬉しいです。どうぞご贔屓に。 (2020年9月30日 23時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
苺くぅ - 面白ろ過ぎます！！ (2020年9月30日 18時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 佐藤 友菜さん» やはりやましょーさんを重要な役に置いてしまう作者です。オンラインライブかっこよすぎたので更新頑張ります (2020年9月21日 6時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - はい、読み続けます。もうーハマってしまいました(笑) (2020年9月21日 1時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白湯 | 作成日時：2020年6月14日 7時
