だめなやつ ページ14
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樹side
目が覚めると、もう隣に翔平はいなかった。
時計を見ればもうお昼近くて、さすがの翔平でもこの時間には起きるか、と少し悲しくなったり。
起き上がってリビングに行くと、既に冷めているラップがされた朝食が並んでいた。
どうやら翔平は、ご丁寧に飯を作り置きしてから自分の家に帰ったらしい。
…割と豪華なんだよな、笑
ふと目をやると、皿の横にメモ書きが残されていて。
手に取ると、"ありがと 朝メシつくった"と書きなぐられた文字がなんとも翔平らしくて思わず笑みを零す。
『…腹減ったな、あっためるか。』
少し眠たいのは、昨日押し退けてしまった翔平にひとりで色々考えてあたふたしてごろごろした結果、がっつり頭が冴えてしまったからだろう。
翔平のおかげで全然寝れなかった。
チン♪
とか考えていると、電子レンジが温めなおしていた朝食が出来上がったことを知らせる。
『…うま、』
最近は特に、朝飯はコンビニ弁当ばっかりだったし、朝早い撮影なんかがある日は食べないことだって少なくなかったから。
初めて翔平の手料理食ったかも。
あいつこんな料理上手かったっけ。
いつの間にかペロリと平らげてしまった空の皿を見つめる。
翔平が俺のために飯を作ってくれたことが嬉しくて、自分でも訳わかんないくらい頬が緩んでる。
『…あー、これだめなやつだ、』
隣で無防備に眠る翔平が愛おしかった。
押し退けたけれど、引き寄せたくなってしまった。
抱きしめられた時、鼓動が一気に早くなった。
…答え、割とあっさり出ちゃったな。
北人さんには少し悪いけど、俺はどうやら何もしないで終われるほど"賢く"ないらしい。
焼肉屋で北人さんにああ言われた後、やっぱり沢山考えた。
沢山考えた末に、俺にとっての最善は、グループの為を思って静かに諦めることだと思った。
もちろんそれは本心だし、今もそう思う。
っ、だけどそれ以上に翔平と同じベットに並んだとき、言いようのない苦しさが込み上げてきて思わず言ってしまいそうになった。
どうしようもないほど、今すぐにでも伝えたくなってしまったんだ。
"翔平が好きだ。"
このまま諦められるはず、なかった。
俺は、何かしないと終われない、振られないと分からないようなとんだ馬鹿だったらしい。
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作者の呟き
2ndへ続く…
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苺くぅ - はい！気長に続きをおまちしております。 (2020年10月5日 20時) (
レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 苺くぅさん» ありがとうございます。とても嬉しいですし励みになります。これからもお読み頂けるととても嬉しいです。どうぞご贔屓に。 (2020年9月30日 23時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
苺くぅ - 面白ろ過ぎます！！ (2020年9月30日 18時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 佐藤 友菜さん» やはりやましょーさんを重要な役に置いてしまう作者です。オンラインライブかっこよすぎたので更新頑張ります (2020年9月21日 6時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - はい、読み続けます。もうーハマってしまいました(笑) (2020年9月21日 1時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白湯 | 作成日時：2020年6月14日 7時
