置いていけたら ページ12
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翔平side
立ち上がって寝室まで樹の手を引く。
ふわふわとした頭と、ハッキリとした樹の手の感覚とで、現実と夢の境界線がぐるぐる曖昧になってくるような気がする。
なんだか、樹の家にいるのも、泊めてもらっているのも、…っさっきまで樹を抱きしめていたことも、全部全部幸せすぎて一時の夢なんじゃないかとすら思えてきた。
…あぁ、これ夢なのかも。
俺が樹の家に泊まるなんて有り得ない、
ましてや抱きしめるなんて、拒絶されないなんて、
…微かに樹が微笑んでいるなんて、
絶対にありえないから。
この樹はこの夢の中だけで、夢から冷めるときっと俺は家の布団で寝てるんだ、
それなら、こんな幸せな夢もう無いかもしれないから、存分に味わってやろう。
樹「っ一人で寝れんだろ、」
『おれだきまくらないとねれない、』
樹「なんだそれ、俺抱き枕じゃねーし。そこトイレだし。」
『もう、うるさい！いっしょにねるの！』
樹「っ、…好きにしろ、」
『おう！』
やっと寝室を見つけてばーんとドアを開ける。
樹の手を引いて走っていって、ベットにぼふっとダイブすると広がる樹の匂い。
へへ、やけにリアルな夢だなぁ、
突っ立ってる樹をベットに引きずり込んで目を閉じる。
こんな夢見るなんて俺も女々しいなぁ…
ふと横を見ると、呆れたように樹がこちらを見ていて。
それでも、その瞳は優しく笑っているから、思わず胸が高鳴る。
つくづくいい夢だな、
…おれも、そろそろ諦めなきゃなんねえか、
最後の足掻きでガバッと樹に抱きつく。
樹「ばか、」
『うへへっ。』
樹「抱き枕じゃねえって、」
『うるせえっ、そんなにたぴおかみるくてぃーがのみたいか、』
樹「いや要らねえし。なんでそうなるんだよ。っ、だめ、離れて、」
グイッと額を押しのけられて離される。
あはは、いつもの藤原樹だ、
特に抱き枕がないと寝られない訳でもない俺は、樹が好きな気持ちも、全部この夢に置いていけたらいいな、なんてモヤモヤと考えながら、呆気なく睡魔に呑まれていった。
樹「っ、…可愛すぎんだろ…」
『んがっ、！…すぅ、』
樹のそんな嘆き、聞こえるわけもなかった。
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作者の呟き
2ndへ続く…
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苺くぅ - はい！気長に続きをおまちしております。 (2020年10月5日 20時) (
レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 苺くぅさん» ありがとうございます。とても嬉しいですし励みになります。これからもお読み頂けるととても嬉しいです。どうぞご贔屓に。 (2020年9月30日 23時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
苺くぅ - 面白ろ過ぎます！！ (2020年9月30日 18時) (レス) id: 079e87463c (このIDを非表示/違反報告)
白湯(プロフ) - 佐藤 友菜さん» やはりやましょーさんを重要な役に置いてしまう作者です。オンラインライブかっこよすぎたので更新頑張ります (2020年9月21日 6時) (レス) id: d5016db2f4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - はい、読み続けます。もうーハマってしまいました(笑) (2020年9月21日 1時) (レス) id: 30b38fa8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白湯 | 作成日時：2020年6月14日 7時
