やきもちパズル_12 ページ24
「一回そう思ったら、もう消えてくれなくってさ。それからことあるごとに、Aとトノが一緒にいるところばっかり目につくようになった。二人が話してるの見るたびに、何か俺、嫌なヤツになってく気がして……ちょっと、怖かった」
気づいてなかったでしょ？ と笑ってみせる遙日くん。でもわたしが何も返せなかったから、すぐに笑みを引っ込めてしまった。
「まあ、唯月にはバレてたみたいだけど」
「……バレて、って」
「変なんだ、俺、ずっと。Aがトノのこと好きなら、俺はもっともっと頑張って、トノよりかっこよくならなきゃダメだって、すっげえ頑張ってた。でも、……それでもやっぱり、トノには色んなこと、敵わなくて」
ふは、と残った息を吐き出しながら、ふるふると遙日くんは頭を強く振る。その拍子にちょこんと縛っていた赤色のゴムがほどけ、力なく床へ落ちた。金髪が肩口に広がるのが、なんだかスローモーションのように見えた。
「――何をどうすればAが俺のことだけ見ててくれるのかって、そればっかり考えてる」
あ、と言葉が零れ落ちたのかどうかもわからない。自分の声すら、今のわたしの耳には届かない。
――やきもち。最初に遙日くんが言った、その言葉の意味は。
遙日くんの、想いは。
視線は交わらないまま、静かなスタジオに一層の沈黙が漂う。
……ああ、そうだ。ここはスタジオだった。それすらも一瞬、忘れてしまっていたみたいだ。今、視界には遙日くんしか入っていない。激しいダンスに少し乱れた、綺麗な金髪。外国の血を感じる、濃く深いブルーの瞳は横からしか見えなくて。まだ幼さも残っているけれど、十分に大人と呼べる凛々しさを備えた顔立ち。唯月くんとそっくりだけど、でもやっぱり、違う。
わたしにとって、遙日くんは。
『Aの目がトノに向いたのが、悔しかったんだ』
『Aはトノのことが好きなんじゃないか、って』
『何をどうすればAが俺のことだけ見ててくれるのかって、そればかり考えてる』
「……見てる、よ」
「……え？」
ぎゅっと、握りこぶしに力を入れる。『気づいてなかったでしょ？』と笑うあの表情を思い出した。
でも、それは違う。
唇を痛いほど噛んで、それからまた口を開く。遙日くんみたいに強がる笑顔なんて、作れやしなかった。
「遙日くんがいつもと違うこと、わたし気づいてたよ。理由はわかんなかったけど、……何もできなかった、けど」
「A」
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雪村 百合 - まほしさん» いえいえ！私もクドイ事を指摘してしまったかと少し不安だったのですが、そういって頂けて良かったです。 なるほどアニメでは『野目』呼びがあったんですね。私もまだまだ勉強しなければいけませんね…。お返事ありがとうございました！ (2019年2月17日 11時) (
レス) id: 6a1ddaa5c5 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - 雪村 百合さん» 細かなところまで目を通していただけてありがたい限りです。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年2月12日 0時) (携帯から) (レス) id: 2cdb666f4d (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - 雪村 百合さん» コメントありがとうございます。呼び方に関してはネットで纏めてくださっているものを参考にしていますが、アニメでは「野目」呼びがあったようです。愛染くんのことなので時には名前で呼んでいるかもしれませんが。 (2019年2月12日 0時) (携帯から) (レス) id: 2cdb666f4d (このIDを非表示/違反報告)
雪村 百合 - 健十はメンバー全員の事を名前で呼んでたきがします！なので最後の健十のところは『野目』ではなく『龍広』かと…((へんな所にめをつけてしまいすいません…)) (2019年2月11日 14時) (レス) id: 6a1ddaa5c5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥンクももたすトゥンク - あしゅは俺じゃくて僕の方がイメージしやすいし安心するwww (2018年11月27日 11時) (レス) id: a10801537f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほし | 作成日時：2018年6月27日 20時
