りんごあめの味がする_2 ページ44
もきゅ、もきゅ。味わうように口が動いた。わたしのりんごあめはまだ残っているから、ちびりと齧って、
「わたしたちも行ってみる？」
「ん？うーん」
聞いてみれば意外にも即答はせず、手に付いた砂糖を舐めとりながら何やら考える様子を見せる。あれ、悠太は賑やかなのが大好きだから、てっきり頷くとばかり思っていた。
「うーん？」
「んー、何かさ、こーいうのも良いよねって思って」
こういうの？首を傾げると、悠太はにんまりと笑う。
「こういう、静かなのも、良いなあって」
さっきまであんなにはしゃいでいた癖に。そよりと吹いた微かな風に溶け込んでしまいそうなくらい落ち着いたその台詞に少しどきりとしてしまって、そんな自分を取り繕うようにわたしはからかうような声を出す。
「悠太らしくないね」
「ええ、そんなことないよー。フゼイってやつだよフゼイってやつ」
「ますます悠太らしくないよ」
「むうー！Aちゃんの中の僕ってどんなイメージなの」
もう、と頬を膨らまして抗議してくる悠太はいつもの悠太で、なんだかほっとしたわたしは声を上げて笑った。しばらくぷくりと膨れていたけれど、「えへ」また八重歯をちろりと見せて、笑顔になる。
「悠太は賑やかな方が好きだって思ってたから」
「賑やかなのも好きだよ、そりゃ。わーってなって、わーって楽しいし。さっきだって超楽しかったし」
「うん。確かにわーってなってた。楽しかった」
「けどね、何かね。今はこうして……Aちゃんと二人ってのを味わいたい気分なの」
「………」
ん、と変な声を漏らすことはかろうじて避けた。ぱちぱちと多めに瞬きを繰り返し、きょろきょろと目を宙へ泳がせる。
えっと、今のは、何だろう。悠太はそれ以上何も言わず、抱えた膝を机に見立てて頬杖をついて、じいっと風景を眺めていた。
だからわたしもどういう意味かなんて聞けなくて、黙ってりんごあめを齧ることしかできない。
りんごあめの味がする_3→←りんごあめの味がする_1（悠太）
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keizi-yuki(プロフ) - まほしさん» 面白いです！！まほしさんにお聞きしたいことがあるのですがお聞きしてもよろしいですか？僕も今Bプロの小説を書いているのですがお互いの呼び方がわからないので教えてもらうことってできますか？ (2018年6月2日 16時) (
レス) id: d1d4e10695 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - まほしさん» ご解答ありがとうございます〜。楽しみにしてます!! (2017年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» リクエストは特に募集はしていませんが、書けたら書くし思いつかなければ書けない…という感じです。言っていただいたのにすみません（汗）ただ、次は和南くん夢アップする予定なので、書きあがったら読んでいただけたら嬉しいです＾＾ (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» こんにちは。いつも読んでいただき、ありがとうございます！これからもマイペースに頑張りますので、また読んでやってくださいませ。 (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - 個人的なお願いですが、竜ちゃんと和南お願いしたいです。リク受付なさってなければごめんなさぃ(/_･､) (2017年8月3日 23時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まほし | 作成日時：2017年6月9日 21時
