わたしの王子様_5 ページ36
夢の中の剛士は、どこまでも優しく穏やかに微笑んでいたけれど。
今目の前にいる本物の剛士は、少し眉を寄せ、だけど不敵に笑んで、まっすぐわたしを見つめていた。
「これで文句ねえだろ?」
「……ない、です」
わたしの答えに、剛士は少しだけ嬉しそうに笑みを深めて、
「ま、ついでに」
「え?」
ぐいと腰を抱いた腕に力が込められ、わたしは更に剛士にぴたりとくっついた。
繋がっていた右手がぱっと離された、と思ったらいつの間にかさっきつねられていた頬へと添えられて、有無を言わせず赤い瞳がすぐ目の前へ迫った。
「……っ」
――ほんの一瞬、だけ。軽く触れ合った後、ちゅ、と音を鳴らして離れていく。唇に触れた熱と、わざとらしくたてられたリップノイズにもう頭も心もどろどろに溶けてしまいそうだ。一瞬で頭に血が昇り、くらりと体が揺れる。足にほとんど力が入らなくって、剛士に抱き寄せられるままに彼の体に体重を預けた。
「おい、しっかりしろよ」
「……剛士、前言撤回するね」
多分今、人生で一番心臓が煩く鳴っていると思う。
剛士の胸に頭をもたれさせたまま、半ば放心状態でぽつりと言葉を漏らす。
「君は十分、王子様だよ」
「……馬鹿、キャラじゃねえっての」
わたしの呟きにちょっと驚いたような息遣いが聞こえたけど、「ただ、まあ」すぐにふっと低い笑みを漏らして、わたしの体を抱く手に少しだけ力を込めた。
「お前がこんな姿になってんのを見るのは、悪くねえな」
――ああ、君はとっくに
わたしの王子様
「お前、よくそういう夢見んのか?」
「いや、今回初めてでびっくりしたよ…何かしらの深層心理が働いているのだろうか、やっぱり」
「……そうか」
その日、色んな人がちょっとだけ機嫌が良さそうな剛士を目撃した、らしい。
+++++++++++++++++
S級パラダイス発売記念夢……のつもりで書いていたわけじゃないですがなんだか時期がぴったんこだったのでそういうことにしておきましょう!!
ジャケットの剛士くんを見た瞬間「王子様…!!」となってしまったのは良い思い出です。あの衣装にあの目つきとあの襟足いじりポーズはたまらないです。よってS級衣装の剛士のことをわたしは金城王子と勝手に呼んでいます。
久々にゆめゆめしい夢を書いた気がして満足!!
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keizi-yuki(プロフ) - まほしさん» 面白いです!!まほしさんにお聞きしたいことがあるのですがお聞きしてもよろしいですか?僕も今Bプロの小説を書いているのですがお互いの呼び方がわからないので教えてもらうことってできますか? (2018年6月2日 16時) (レス) id: d1d4e10695 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - まほしさん» ご解答ありがとうございます〜。楽しみにしてます!! (2017年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» リクエストは特に募集はしていませんが、書けたら書くし思いつかなければ書けない…という感じです。言っていただいたのにすみません(汗)ただ、次は和南くん夢アップする予定なので、書きあがったら読んでいただけたら嬉しいです^^ (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - Alice@Shu.Ryujiさん» こんにちは。いつも読んでいただき、ありがとうございます!これからもマイペースに頑張りますので、また読んでやってくださいませ。 (2017年8月4日 12時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@Shu.Ryuji(プロフ) - 個人的なお願いですが、竜ちゃんと和南お願いしたいです。リク受付なさってなければごめんなさぃ(/_・、) (2017年8月3日 23時) (携帯から) (レス) id: a0d3cca6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほし | 作成日時:2017年6月9日 21時